Q の感想

新規ファンにはお勧めしません。きっと一曲目から面食らうはずだからです。
このアルバムの良さは、ある程度ミスチルを知ってから分かるように思います。

ヘンテコで面白い曲や、桜井さんお得意の切ないバラード等が収録されています。
これまたヘンテコなジャケットは、深海から浮上したというイメージらしいです。

個人的には、聞けば聞くほど味わいの出る飽きのこない作品でした。

自分が『シフクのオト』と並んで、最も長く聴き続けた作品です。この頃のMr.Childrenはどちらかというと、『DISCOVERY』でライトなファンが離れ、ヒットシーンから遠退きつつありました。ですが、そんな時代だからこそ生まれた、遊び心で音楽の面白さを描いた傑作だと感じます。聴けば聴くほど癖になっていく、そんな中毒性を持った通好みの一枚です。

このQは、20曲ぐらい収録曲の候補があったそうです。そして、その中から選りすぐったわけですから、楽曲の質も決して低くありません。思わず脳内麻薬が分泌されそうな、弾けた歌詞とメロディの『Center of universe』を筆頭に、叫びにも似た切ない恋心を歌い上げた『つよがり』、叙景的な歌詞と心地良いメロディが絶妙な『ロードムービー』などファンに絶賛されている名曲もあれば、今じゃあまり聴けない『その向こうに行こう』『スロースターター』『十二月のセントラルパークブルース』『友とコーヒーと嘘と胃袋』など遊び心満載の曲も注目です。

この辺りでは、唯一のミリオン切りアルバムですが、それは当時の世間の世相がそうなっていただけで、ファンの評価は高い一枚ですし、初心者も一度聴いてみては如何でしょうか？ただ、癖が強いので好みが大きく分かれるところだとは思います。