天才カルダーノの肖像: ルネサンスの自叙伝、占星術、夢解釈 (bibliotheca hermetica叢書) の感想
参照データ
タイトル | 天才カルダーノの肖像: ルネサンスの自叙伝、占星術、夢解釈 (bibliotheca hermetica叢書) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 榎本 恵美子 |
販売元 | 勁草書房 |
JANコード | 9784326148264 |
カテゴリ | 人文・思想 » 哲学・思想 » 西洋思想 » 西洋哲学入門 |
購入者の感想
このたびbibliotheca hermetica主宰のヒロ・ヒライ氏監修の叢書シリーズが勁草書房から刊行される。その記念すべき第一弾が本書、榎本恵美子による『天才カルダーノの肖像 ルネサンスの自叙伝、占星術、夢解釈』である。本書は、日本におけるカルダーノ研究の第一人者である著者の、長年の研究のひとつの大きなマイルストーンである。内容は以下の通りである。
第I部 カルダーノとは誰だったのか?
第一章 カルダーノの生涯と仕事
第II部 『わが人生の書』の研究
第二章 自叙伝『わが人生の書』とは?
第三章 自叙伝の形式と占星術
第四章 自叙伝にみる医学者ガレノスの影響
第五章 カルダーノと夢解釈
第六章 守護霊との対話
第III部 『一について』の研究
第七章 秩序ある多様性『一について』の考察
第八章 翻訳 カルダーノ『一について』
補遣 あとがき カルダーノを探す旅
カルダーノ研究の最前線―本書の解説にかえて(坂本邦暢)
もともと独立した論文であったものがこのようにスムーズに一冊の本になるということは、著者の先見性と編集者の「多から秩序」を生み出す、まさにカルダーノ的な技量によるものであろう。以下、手短にカルダーノの『わが人生の書』の研究である第II部を紹介したい。
カルダーノという思想家はとくに自分について語り、自分の問題を思索の立脚点としてとりあげているので、自叙伝である『わが人生の書』について書くことは非常に困難である、と著者は語る。つまり、自叙伝に限定して研究をしていては、カルダーノが成し遂げようとしたことがわからなくなってしまうというわけだ。それゆえ、この自叙伝とともに、包括的にカルダーノの著作に親しまなくては、重層的な理解は不可能である。著者は、個々の章でこの重層性をみごとに描き出している。これを成し遂げているのは、ひとえに著者の長年の研究があるからであろう。
第I部 カルダーノとは誰だったのか?
第一章 カルダーノの生涯と仕事
第II部 『わが人生の書』の研究
第二章 自叙伝『わが人生の書』とは?
第三章 自叙伝の形式と占星術
第四章 自叙伝にみる医学者ガレノスの影響
第五章 カルダーノと夢解釈
第六章 守護霊との対話
第III部 『一について』の研究
第七章 秩序ある多様性『一について』の考察
第八章 翻訳 カルダーノ『一について』
補遣 あとがき カルダーノを探す旅
カルダーノ研究の最前線―本書の解説にかえて(坂本邦暢)
もともと独立した論文であったものがこのようにスムーズに一冊の本になるということは、著者の先見性と編集者の「多から秩序」を生み出す、まさにカルダーノ的な技量によるものであろう。以下、手短にカルダーノの『わが人生の書』の研究である第II部を紹介したい。
カルダーノという思想家はとくに自分について語り、自分の問題を思索の立脚点としてとりあげているので、自叙伝である『わが人生の書』について書くことは非常に困難である、と著者は語る。つまり、自叙伝に限定して研究をしていては、カルダーノが成し遂げようとしたことがわからなくなってしまうというわけだ。それゆえ、この自叙伝とともに、包括的にカルダーノの著作に親しまなくては、重層的な理解は不可能である。著者は、個々の章でこの重層性をみごとに描き出している。これを成し遂げているのは、ひとえに著者の長年の研究があるからであろう。