アイヌ式エコロジー生活―治造エカシに学ぶ、自然の知恵 (SOOK BOOK) の感想
参照データ
タイトル | アイヌ式エコロジー生活―治造エカシに学ぶ、自然の知恵 (SOOK BOOK) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | さとうち 藍 |
販売元 | 小学館 |
JANコード | 9784093877954 |
カテゴリ | ジャンル別 » 社会・政治 » 社会学 » 社会学概論 |
購入者の感想
日本に在住する少数民族アイヌ人。特に明治時代以降は社会的に抑圧され、現在でも少数民族であること自体を日本政府はまだ認めていません(つまり、民族と文化を否定している)。本書は、そんなアイヌ人の文化と民族性をエコロジーの観点から紹介したものです。
アイヌ民族で現在は関東地方でアイヌの文化を伝える「カムイミンタラ」を主催している、浦川治造さんの日常や行動、対話や回想を、著者のさとうちさんが美しい写真とともにレポートする形で本書は書かれています。治造さんのエネルギッシュだけどどこかおっとりした様を、さとうちさんの親しみのこもった視点で描き出します。その中身は、仮小屋や儀式用の装飾品、臼や丸木舟など日用品の作り方、他国の先住民同士の交流や、他のアイヌ人との交流、ウバユリや鮭、昆布などのアイヌ人にとって重要な食品の食べ方・保存の仕方、相撲や漁・猟、楽器などの活動など、まさに生活の全面に渡っています。そのどれもが自然、そしてカムイ・神とのつながりの中で行われており、謙虚でつつましやかなアイヌ文化は、まさにエコロジーと言っていいと思います。
私たち日本人の多くはアイヌ人のことを名前だけ、あるいは木彫りの彫刻しか知りません。この日本ではもはや圧倒的に少数になってしまった彼らですが、今こそその文化を知り、そこから学び、ともに歩めるよう努力する時だと思います。得るものはきっと多いと思います。多くの人がアイヌ人とアイヌ文化を知り、その重要性に気付く。その入り口として、本書が大きな役割を担うだろうと思います。
アイヌ民族で現在は関東地方でアイヌの文化を伝える「カムイミンタラ」を主催している、浦川治造さんの日常や行動、対話や回想を、著者のさとうちさんが美しい写真とともにレポートする形で本書は書かれています。治造さんのエネルギッシュだけどどこかおっとりした様を、さとうちさんの親しみのこもった視点で描き出します。その中身は、仮小屋や儀式用の装飾品、臼や丸木舟など日用品の作り方、他国の先住民同士の交流や、他のアイヌ人との交流、ウバユリや鮭、昆布などのアイヌ人にとって重要な食品の食べ方・保存の仕方、相撲や漁・猟、楽器などの活動など、まさに生活の全面に渡っています。そのどれもが自然、そしてカムイ・神とのつながりの中で行われており、謙虚でつつましやかなアイヌ文化は、まさにエコロジーと言っていいと思います。
私たち日本人の多くはアイヌ人のことを名前だけ、あるいは木彫りの彫刻しか知りません。この日本ではもはや圧倒的に少数になってしまった彼らですが、今こそその文化を知り、そこから学び、ともに歩めるよう努力する時だと思います。得るものはきっと多いと思います。多くの人がアイヌ人とアイヌ文化を知り、その重要性に気付く。その入り口として、本書が大きな役割を担うだろうと思います。