MEINL マイネル トラベルカホン TCAJ1BK の感想

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とても薄く、打面は意外と広い（私の持ってるSchlagwerkのX-ONEの『座面と』ほぼ同じ大きさ）ので、奏法的にはほぼレギュラーサイズのカホンと同じにイケます。音量は、共鳴穴がついているもののそちら方向に抜ける成分はたいしたことなく、「この大きさの木製の空箱を叩いてるぐらい」という説明でご想像できる通りです。ただ、スナッピーのビビり音は叩く場所よりも叩く強さで決まる（どこでも強く叩けばそれなりにバシャッと言う）ので、それに慣れすぎると運手に変な癖がついて普通のカホンにしたとき困っちゃうかもしれない。打面は完全に接合されているので隙間の微調整とかもできません。

欠点もいろいろ書きましたが、この値段・この形状ならではのメリットは私の場合そういったマイナス面をはるかに凌駕していました。「やるぞー」というモードになってクローゼットの中のカホンバッグから取りだしてこなくても、常にソファやベッドに転がしといていつでも触っていられるサイズ、マンションの近隣住民を気にせずどんな時間帯でも鳴らせる控え目な音量は、どちらもとても魅力的です。音楽聞きながら、TV見ながら、とにかく気軽にパタパタできるのは、アマチュアにとっては最高に楽しいもの。音と友達になるのに大切な「付き合う時間」を存分に得られるのは間違いありません。

コンパクトなのがいいけど、出音の質もそこそこ重視したいなぁ〜、ということなら、こちらではなくSchlagwerkのミニカホン『カホニート』Schlagwerk DC300 Cajonito カホンが選択肢に入ってくると思いますが、あちらは打面サイズの関係で手技・指技に制約が出てきます。どっちもよい楽器だしお値打ちだと思いますから、なんなら2台買ってもいい気もしますけどね。