ディレクターズカット ワイルドバンチ 特別版 [DVD] の感想

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参照データ

タイトルディレクターズカット ワイルドバンチ 特別版 [DVD]
発売日2011-10-05
監督サム・ペキンバー
出演ウィリアム・ホールデン
販売元ワーナー・ホーム・ビデオ
JANコード4988135869852
カテゴリDVD » ジャンル別 » 外国映画 » アクション

購入者の感想

※リマスター特別版DVDのレビューです。

観といて良かった。流石サム・ペキンパー監督、此れはかなり見応えのあるモノ凄い西部劇だ。
ポール・ニューマンとロバート・レッドフォード共演の「明日に向かって撃て!」と共に西部劇でのアメリカン・ニューシネマの代表的作品で、無法者の犯罪者の末路を描くことも共通している。でも、大きく違うのは「明日に」は洗練されたイケメンの格好良さで、この「ワイルドバンチ」は武骨な男臭い格好良さというテイストが180度異なるのだ。
ウィリアム・ホールデン、アーネスト・ボーグナイン、ロバート・ライアン、エドモント・オブライエンらが演じる時代錯誤のハミ出し者の中年強盗団は、どう見ても悪人達なのに憎めない。日本なら江戸時代になって戦国時代の合戦がなくなり功名の機会を奪われ持て余す浪人や、明治の文明開化に取り残された侍の様だ。内なる血潮を抑えられないオヤジ達が、次第に死に場所を求めて徨らう伏線に嵌まっていく。
西部開拓は終わり20世紀になり、土地に根を張って平和に生きる時代に適応できない男達の、行き場のないガンマンの本性と欲望と諦めの気持ちが交錯する脚本が実に素晴らしく、観客の胸にも重くのし掛かる、「こんな男達が生き、消えていったのか」と。演者全員が脇役までピリピリした研ぎ澄まされ方で感情移入していまう。

そしてペキンパー監督の映像表現の迫力がまたモノ凄い。スローモーションを本格的に使った初めての西部劇と言われるが、それだけじゃない。
銀行強盗、鉄道強奪、橋梁爆破、私刑リンチ、裏切りの読み合い、強かな女達との戯れ、子供の残忍性、ラストの壮絶な撃ち合いシーンの全てに“人間の光と影”を叩きつけようとする監督の魂の入れようが伝わる。映像特典のメイキングではその努力の結晶が観てとれ是非ともお勧めだ。
メキシコ軍隊を相手にした西部劇の名作、ジョン・ウェインの「アラモ」が表なら本作は裏だ。お国の為に尽くしてきた議員や大佐の活躍ではなく、悪の限りを尽くしてきた男達の魂を賭けた最期は天晴れだ。冷静で人格や知性も優れた主人公パイクと人情家の女房役ダッチ、そして粗野だが真っ直ぐな荒くれゴーチ兄弟の「四人の行進」は男泣きしそうなシビれる格好良さだ。

冒頭の銀行強盗のシーンから、ラストのマパッチ将軍との銃撃戦まで、
一貫して「男、男、男」のオンパレード。
唯一女性のエピソードもありますが、添え物止まり。

あくまでペキンパー監督の「女か死か」という「ゲッタウェイ」でのマックイーンとのやり取りのように、
ここでは文句なしに「死」の描写に徹底しています。

その描き方が、映画ならではであるからこそ、美しい。
いや、美しい、と書くと御幣があるかもしれないけれども、
少なくとも、映画ならではのカタルシスを感じることは事実。

キャラクターが一筋縄ではいかないところも、
ヒーローらしい人物も、それを追う元仲間のバウンティハンターも、
全てが計算し尽くされた様な、そんな感覚すら覚えます。

とにかく、映画が好きなら見ておくべき作品。
全ての「バイオレンス」描写の基礎は、ここにあります。

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