ストライクウィッチーズ　片翼の魔女たち　（１） (角川コミックス・エース 359-1) の感想

TVアニメシリーズでよく知られる人気作品の新作公式コミカライズ。
本作では、TVアニメにおいて主役となった第501部隊の傍に立地する小さな分遣隊が主舞台。
主人公はそこに着任したばかりのウィルマ・ビショップ曹長。
そして彼女に四名の先任者を加えたわずか五名の部隊が、彼女たちなりの努力と活躍を魅せる物語が描かれる。
エースでなくても魔女（ウィッチ）が戦う理由はいつもひとつ･･･誰かを守りたいから───。

さて、かの501の一員でもあったリーネことリネット・ビショップの姉が主人公となる本作。
この1巻では、ひよっこウィッチ二人に、自信を喪失した隊長と心を閉ざし周囲との連携が取れていない実力者というばらばらのチームが、ムードメーカーである彼女が少しばかりのアドバイスと力を貸すことでチームとしてまとまっていく様子が描かれる。
部隊の立地とその特性から大規模な戦闘や極めて重要な任務が描かれることはないが、それ故にシリーズの知識を必要とする場面や専門用語も少なく、比較的門戸の広い作品であると言えよう。

また、作画もかわいい女の子の活躍を描く作風に見合ったものとなっており、特別巧いというわけではないが、読み易いこともあって好印象。
既存のファンへのサービスだけではなく、入門編としても都合が良さそうだ。
ただしとりわけ前半は、半ばお約束とはいえいわゆるサービスカットが多分に盛り込まれているためそういったものに抵抗感や嫌悪感を覚える方は注意が必要である。

尚、ナンバリングされていることからもお分かり頂けるように、本作は未完結。
順調に行けば年内にも続刊が刊行されるだろう。