心がスーッと晴れ渡る「感覚の心理学」 (角川SSC新書) の感想

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参照データ

タイトル心がスーッと晴れ渡る「感覚の心理学」 (角川SSC新書)
発売日2013-12-18
製作者名越 康文
販売元KADOKAWA / 角川マガジンズ
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カテゴリジャンル別 » ノンフィクション » 思想・社会 » 思想

購入者の感想

「心は4頭立ての馬車である」の表現はなかなか面白い。
御者である自分が、手綱によって、喜怒哀楽という感情をもつ暴れ馬(=心)をコントロールする。
つまりは、「自分=心」ではなく、自分と心を切り離し、心を客観的にモニタリングすることによって、心を落ち着かせ、心の平穏さを保つ秘訣だと述べる著者の理論は、なるほど頷かせるものがある。
また、本書を読んで感じたことだが、著者は、釈迦の教えの影響を多分に受けている。
仏教では、「諸法無我」といって、「永遠不変の自我など存在しない」という教えがあり、「精神も肉体も自分のものなど一つもない」と、お釈迦様は説かれている。にもかかわらず、「自分自身は自分のもの」と固執するあまり、人間、そこに苦しみが生じるのである。
俗世に生きる人間は、心も肉体も当然、自分のものだと考える。しかし、お釈迦様は、心も肉体も借り物だと考えた。著者は、その折衷案として、もしくは、仏典をヒントに上述のような発想を展開されたのか、これまた非常に興味深いところでもある。

しかし、本書の中盤以降は、「内発感覚」についての説明に重点が置かれ、正直、興味が削がれてしまった感は否めない。
恐らく、著者が言わんとしていることは、「内発感覚」によって内側から湧き上がるさわやかな気持ち、軽やかな気持ちを経験し、それを一個一個インプットして増やしていく。そして、「内臓感覚」として横隔膜あたりで感じたネガティブな暗い気持ちが現れそうなときに、いいイメージの「内発感覚」を思い出し、取り出して、いつもさわやかな自分でいることを心掛けてほしい!というものだ。
でも一体、どのくらいの読者が、この高度な技術を実践に移すことが出来るのであろうか?!
少なくとも私には、このテクニックを実践することは不可能であろう…。

最後に、本書の至るところに、前著 『瞬間の心理学』によればの文句があり、前著を予め読んでおかなければ、本書を本当の意味で理解したことにならないのではないか?!という強迫観念に駆られ、やむを得ず、前著も購入したのだが、ズバリ!本書と前著 『瞬間の心理学』のどちらを購入するか迷われている方には、前著を読まれることを、是非、お勧めしたい。

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