センスは知識からはじまる の感想

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参照データ

タイトルセンスは知識からはじまる
発売日2014-04-18
製作者水野 学
販売元朝日新聞出版
JANコード9784022511744
カテゴリジャンル別 » ビジネス・経済 » マーケティング・セールス » 広告・宣伝

購入者の感想

「センスとは知識の集積である」と断定する著者は潔い。
もちろん、知識豊富な人であれば著者のような人気デザイナーになれるなんて夢物語は一切ないので、飛躍した論理であることは間違いない。

センスのためにどんな知識が必要なのか?
デザインの知識?デザインするソフトウェアの知識?デザインするモノの知識?
そのモノをつくっている人や会社の知識?そのモノがターゲットとする顧客の購買特性についての知識?そのモノを届ける流通の知識?
どれも大切だ。
じゃあそれらの知識を得れば、センスのいいデザインができるのか?と問われると、答えはもちろんNOだ。
その知識集めにもセンスが必要だし、その知識含めて、クリエイティブディレクターは好きな作品を作り続けるアーティストではないのだから、センスの前に「クライアント」の理解が欠かせない。

そう、本書を冷静に読めば著者が隠した意味は明らかになる。
著者の語る「センス」とは、「説得力」のことだ。
だから、はっきりこう言い換えていいだろう。

「知識がなければ、クライアント企業の役員会やトップを説得できるデザインを生み出すことができない。
カッコいい、美しい、すてきなデザインという主観的な美意識だけでは、企業や自治体を動かしコンペを勝ち抜くことは、決してできない」

水野学や佐藤可士和のデザインが美しいのではない。(美しくないと言っているのでもない)
彼らが、企業の重役やトップを説得できるのは、デザインがよいからではなく、企業経営や自治体運営への明確な理解と知識を持ち、それを言語化しクライアントを説き伏せる技術があるからなのだ。
「組織の目指すものはこうです。社長の目指す企業ブランドはこうです。そしてこの商品はこういう特性を持つ。競合はこうだ。一方顧客はこう感じている。だからこう考えて、こういうデザインであるべきです。そうすることで、社長のイメージが具現化し、顧客に伝わるのです。」
センスの有無以前に、そんなトークができるデザイナーでなければ生き残れないのだ、と著者は言っているのだ。

「センスの磨き方」(トミタ・ジュン)の表紙にかなり似ている雰囲気に違和感を感じます。しかも中身もカブっています。「センスの磨き方」の一行目にある「(センスを)誰でも学べば身につきます」という部分を読んで、「センスは知識」と云い換えただけじゃないでしょうか。内容的に新しいアイデアが見当たりませんでした。オリジナリティとかこだわらなくても水野学さんはセンスがいいのでしょうか?

ここで言われている「知識」とは、いわゆる「引き出し」と言われているものと同じだと思いました。

特定の分野に対する多量のインプットや経験を元に自分の頭のなかにだいたいの分類わけを作り、新規案件の依頼がきたときに適切なものをその「引き出し」から取り出して適応させるということだと思います。

ただ普通の人がセンスが無いと自分で思っているのが「知識がない(引き出しがない)」からだということであれば、逆に特定の分野に対して沢山の「知識」をもっているからこそ、デザイナーのような専門職が成り立つのだとも思います。

内容は共感でき面白かったと思いますが、結論を導き出すのにこの値段だと高いかなと思ったので★3にしました。

よく分からなくて、先天的なものだと思っていた「センス」がどんなものなのかが分かる本でした。
解き明かすだけでなく、どうすればセンスが鍛えられるのかまで書いてあることがよかったです。
仕事で判断を下す際にいつもどこか不安だったのは、
センスのせいではなく、知識がなかったからなのだな、というのが一番の気付きでした。
お仕事にも生活にも効きそうです!

実は、
これまで読んだデザイナーの方の本は、
どうしても、住む世界が違う人の話に思えていました。
けれど、この本は例がどれも身近なことであり、自分も体験したことのある話でしたので、
とてもわかりやすく、ときに共感もできました。
(いい意味で、生活感がありました。)

お話ししているくらいの軽い気持ちで、するする読めてしまいました!0

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