ギヴァー 記憶を注ぐ者 の感想
参照データ
タイトル | ギヴァー 記憶を注ぐ者 |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | ロイス ローリー |
販売元 | 新評論 |
JANコード | 9784794808264 |
カテゴリ | ジャンル別 » 文学・評論 » 文芸作品 » 英米文学 |
購入者の感想
読みながら、家族へのいとおしさがこみ上げてきました。
そして、仕事にかまけて、家族との対話をおざなりにしてきた自分への後悔がどっと押し寄せてもきました。
最初、描かれている世界は、非常に良心的で、バランスが取れており、模範的な世界に見えます。
しかし、読み進めるうちに、その世界が非常にいびつであることが見えてきます。
それは主人公のジョナスという少年が成長していく過程でもあります。
最も切ないのは、「愛」を知った(!)少年が、おずおずと両親に向かって、
「ぼくを愛してる?」と尋ねるシーン。
これ以上はネタバレになるので、控えますけれど、ひょっとして、この言葉は、僕自身、家族にいつもいつも問いかけられていた言葉なんじゃないか、そう感じました。
「父さん、ぼくを愛してる?」
「あなた、私を愛してる?」
果たして、僕はその言葉にきちんと答えてきただろうか。
そう思い至った時、この「いびつな世界」に自分もまさに生きていることに気づかされました。
面倒くさいことはすべて切り捨てる。
権威に依存して、ルーティンワークの中で生きている。
口先だけの感情のない言葉をやり取りしている。
たった12歳の少年が、決めた行動は、切なくやるせないものでした。
彼とともに、ハラハラしながら、ともに心の痛みを感じながら、駆け抜けるようにこの物語を読み終えた時、
心の中に、小さな明かりが灯っていました。
ぜひ、多くの方におすすめしたい佳作です。
そして、仕事にかまけて、家族との対話をおざなりにしてきた自分への後悔がどっと押し寄せてもきました。
最初、描かれている世界は、非常に良心的で、バランスが取れており、模範的な世界に見えます。
しかし、読み進めるうちに、その世界が非常にいびつであることが見えてきます。
それは主人公のジョナスという少年が成長していく過程でもあります。
最も切ないのは、「愛」を知った(!)少年が、おずおずと両親に向かって、
「ぼくを愛してる?」と尋ねるシーン。
これ以上はネタバレになるので、控えますけれど、ひょっとして、この言葉は、僕自身、家族にいつもいつも問いかけられていた言葉なんじゃないか、そう感じました。
「父さん、ぼくを愛してる?」
「あなた、私を愛してる?」
果たして、僕はその言葉にきちんと答えてきただろうか。
そう思い至った時、この「いびつな世界」に自分もまさに生きていることに気づかされました。
面倒くさいことはすべて切り捨てる。
権威に依存して、ルーティンワークの中で生きている。
口先だけの感情のない言葉をやり取りしている。
たった12歳の少年が、決めた行動は、切なくやるせないものでした。
彼とともに、ハラハラしながら、ともに心の痛みを感じながら、駆け抜けるようにこの物語を読み終えた時、
心の中に、小さな明かりが灯っていました。
ぜひ、多くの方におすすめしたい佳作です。