こんなにも (CD+DVD) の感想

Flowerの覚醒（少なくとも本人たちはそう思っていない）で
並み居るガールズ・グループの中で彼女達への評価は
大いに高くなると思っている。
Flower最新シングル「さよなら、アリス」で聞かせる驚異の
ヴォーカル・パフォーマンスでそれを確信。

そんな折、苦節１０年以上活動してきたDreamの2015年1月最新シングル。

これまでキャッチーなポップ路線で進んできた彼女達だが、
ジャケットのポートレイト写真の通り、大人の女性のヴァレンタインズ・デイの
切ない1日をミディアム・テンポの楽曲に乗せて。

4人が4人とも独特の歌い回しが出来る、という事が彼女たちの一番の強みだと
思うが、特にShizukaの高音と中音の間を裏返るような不思議な歌い回しは
魅力。決してファルセットに切り替わる、というものでもない。

その声が裏返る瞬間、何かがこの曲で弾ける。

MVを見る。

Shizukaの彫刻のような、あまりの美貌に驚くが、
Ayaの美人女子アナウンサーのような佇まい、
まるで10代の少女のようなAmi、
MVでのブレイクの瞬間、刹那の涙（演技中ではない）
を見せる妖艶な美しさを放つErie、と全く被らない個性とその
ヴォーカルが独特の間合いでシンクロする。
10年も一緒に活動してきたのだから、というものでもないだろう。
ハーモニー、というよりシンクロ、と言う方がふさわしいような気がする。
E-GirlsではなくDreamだからこそ、の何かを。

少女の頃から夢だけを追いかけて、何度も挫折しかけた彼女達が
やっと、少しだけ手にかけた夢のかたち。
なのに、ＴＶで見る彼女達は悲壮感のかけらもなく無邪気に
明るく振る舞っている。

だからだろうか、この切ない楽曲がこちらに入ってくるのは。

この路線で是非、アルバムを製作して欲しいと思う。