教師たちの挑戦―授業を創る、学びが変わる の感想
参照データ
タイトル | 教師たちの挑戦―授業を創る、学びが変わる |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 佐藤 学 |
販売元 | 小学館 |
JANコード | 9784098373611 |
カテゴリ | ジャンル別 » 人文・思想 » 教育学 » 一般 |
購入者の感想
「行動する教育学者」と称される著者が1万を超える授業を参観し、またあまたの学校と交流する中で探り、提唱する「学校改革」を提示した良書です。
多くの教師にとって「良い授業」とは子どもたちが活発に議論し、最後には明瞭な「答え」にたどりつく授業でした。著者は今必要とされるのは、そうした派手な授業ではなく子どもたち一人一人のつぶやきを教室の中でつなぎ、行きつ戻りつしながら「学び」を深めるような授業である、と言います。それは地味で、なおかつ端で見ている分にはじれったいほど悠長な営みです。しかし教師が子ども一人一人に対して真摯に向き合い、あらゆる発言を尊重しながら進められる授業とはそういったものにしかならないはずだというのです。
こうしたプロジェクトを経た子どもたちは、「聞く」能力を身につけ、従来の勉強とは違う「協同」する力を獲得することができるのだといいます。これこそが21世紀に必要となる力だと著者は提唱するのです。
現場を知らない政治家や評論家から大上段に振りかぶって放たれるいかにも粗雑な教育改革論とは異なり、佐藤氏の語る学校改革は現場の教師達が手探りで進めている小さな試みに目を向けています。そしてその小さな試みが大きなうねりに(しかも世界的な)なっているまさにその過程を描いています。私も教師の端くれとして示唆に富む一冊でした。学校に通うお子さんをお持ちの方にとっても良書だと思います。
多くの教師にとって「良い授業」とは子どもたちが活発に議論し、最後には明瞭な「答え」にたどりつく授業でした。著者は今必要とされるのは、そうした派手な授業ではなく子どもたち一人一人のつぶやきを教室の中でつなぎ、行きつ戻りつしながら「学び」を深めるような授業である、と言います。それは地味で、なおかつ端で見ている分にはじれったいほど悠長な営みです。しかし教師が子ども一人一人に対して真摯に向き合い、あらゆる発言を尊重しながら進められる授業とはそういったものにしかならないはずだというのです。
こうしたプロジェクトを経た子どもたちは、「聞く」能力を身につけ、従来の勉強とは違う「協同」する力を獲得することができるのだといいます。これこそが21世紀に必要となる力だと著者は提唱するのです。
現場を知らない政治家や評論家から大上段に振りかぶって放たれるいかにも粗雑な教育改革論とは異なり、佐藤氏の語る学校改革は現場の教師達が手探りで進めている小さな試みに目を向けています。そしてその小さな試みが大きなうねりに(しかも世界的な)なっているまさにその過程を描いています。私も教師の端くれとして示唆に富む一冊でした。学校に通うお子さんをお持ちの方にとっても良書だと思います。