雑食動物のジレンマ 上──ある4つの食事の自然史 の感想

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参照データ

タイトル雑食動物のジレンマ 上──ある4つの食事の自然史
発売日販売日未定
製作者マイケル・ポーラン
販売元東洋経済新報社
JANコード9784492043523
カテゴリジャンル別 » 社会・政治 » 社会学 » 社会学概論

購入者の感想

アメリカ人の体は、何とトウモロコシでできているそうだ。
それは、冷凍・加工食品に含まれている添加物の大半が、トウモロコシからできているせいだという。それなら、添加物づけの日本人の体だって、きっと同じようなものなのではないか。

トウモロコシからつくられるブドウ糖果糖液糖(高果糖コーンシロップ)こそが、肥満や糖尿病の原因だ。そう著者は指摘する。ブドウ糖果糖液糖なら、日本の大半の加工食品にだって入っている。日本で肥満や糖尿病が増えているのは、もしかしてそのせいなのか。

私たちが口にしているものは一体何だろう。それはどこからどうやってきたのだろう。素朴な疑問を抱いた著者は、食べ物のルーツを探す旅に出る。
第1部では農場の飼料用トウモロコシが肥育場の牛の餌となり、マクドナルドのハンバーガーになるまでを追う。第2部ではオーガニック(大手有機食品企業と小規模な有機農家の両方)食材の出どころを訪ね、ディープな有機農家(農場主のサルトン氏は非常に魅力的な人物だ)で農作業をし、鶏をと殺し、料理して食卓にのせるまでが描かれる。
第3部ではなんと自らハンティングに行き、キノコを採りサクランボを摘む。自分で手に入れた食材で、本来の食のあるべき姿である「完璧な食事」をつくる。

上下巻あり、読みごたえたっぷりだが、こういった翻訳本で省略されがちな参考文献まですべて丁寧に訳してあるのが嬉しい。文章が巧みでぐいぐいとひきこまれるのは、訳者の腕によるところもあるのかもしれない。読後は誰もが自分の食生活についてしばし考えることになるだろう。いや、しばらくは何も食べられなくなるかもしれない。現代人必読の、まれにみる名著だ。

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東洋経済新報社から発売されたマイケル・ポーランの雑食動物のジレンマ 上──ある4つの食事の自然史(JAN:9784492043523)の感想と評価
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