不敵のジャーナリスト 筑紫哲也の流儀と思想 (集英社新書) の感想

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参照データ

タイトル不敵のジャーナリスト 筑紫哲也の流儀と思想 (集英社新書)
発売日販売日未定
製作者佐高 信
販売元集英社
JANコード9784087207477
カテゴリジャンル別 » 社会・政治 » マスメディア » ジャーナリズム

購入者の感想

学生時代から数十年に亘り朝日新聞を愛読してきた私にとって、最近の朝日新聞の相次ぐ不祥事は、何ともやり切れない。こういう事態に合わせたわけではないだろうが、朝日新聞の記者だった筑紫(ちくし)哲也を論じた『不敵のジャーナリスト 筑紫哲也の流儀と思想』(佐高信著、集英社新書)は、ジャーナリズムのあり方を考える際の恰好の一冊となっている。

朝日新聞の記者時代に、筑紫は「結局、何ヵ月かの停職ということになったのだが、この一件に象徴されるように、筑紫は思いつめて決断して、一本道を真っ直ぐに突き進むというタイプではなかった。ゆらりゆらりと揺れながら、懐深く自然体で歩くというタイプだった。これがまた、安倍(晋三)のような単純タカ派を苛立たせる」。身近で長年接した佐高信だからこそ、こういう深く掘り下げた評価が可能なのだろう。

ジャーナリストとしての筑紫の経歴は一見華々しく見えるが、事実は異なる。本人が、「旧態依然たる(朝日新聞)政治部の政治紙面を作ることに非常に抵抗しまして、上司と衝突してしまったんです。で、上司は面倒だからと、私を『(朝日)ジャーナル』へ飛ばしたわけです」と語っている。

筑紫は「筑紫哲也NEWS23」(TBS系)のニュースキャスターを長く務めたが、著者は、「筑紫はピッチャーのように見えて、実はキャッチャーだった。声低く語りかける筑紫は、優れた語り手である前に、何よりも優れた聞き手だった。『正しいことを言うときは 少しひかえめにするほうがいい 正しいことを言うときは 相手を傷つけやすいものだと 気付いているほうがいい』。吉野弘の『祝婚歌』の一節だが、これがまさに筑紫のスタイルだった」と述懐している。筑紫自身も、ニュースキャスターとして、久米宏や田原総一朗と自分はタイプが違うと自覚していたというのである。

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