やっぱり世界は文学でできている: 対話で学ぶ〈世界文学〉連続講義2 の感想

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参照データ

タイトルやっぱり世界は文学でできている: 対話で学ぶ〈世界文学〉連続講義2
発売日販売日未定
製作者沼野 充義
販売元光文社
JANコード9784334977597
カテゴリジャンル別 » 文学・評論 » 評論・文学研究 » 文学理論

購入者の感想

『徹夜の塊 越境文学論』を書いたロシア文学者であり、自らが「越境する文芸評論家」でもある沼野充義が、三人の「翻訳する外国語文学者」と、おなじく三人の先端の「小説家」を相手に繰り拡げた、彼の唱導する「世界文学」をめぐる連続対談を収めた本。
やさしい語り口調で、それぞれの切り口で語られる「世界文学」への深い思いが、現在の状況への危機感も含めて新鮮でわかりやすく、面白さは前著『世界は文学でできている』に勝るとも劣らない。
たとえば、’1.亀山郁夫が3.11以降の失語的な文学状況のなかで敢えて見つけ出した沈黙の「文学性」、2.野崎歓が解く、フランス語フランス文学中央集権的な抑圧構造に抗した反逆者たちが作ってきた、フランス文学の意外で魅力的な「世界性」、3’.都甲幸治が移民の子ジュノ・ディアスを借りて語る、現代アメリカのディスコミュニケーションに満ちた困難な言語状況にこそ「世界文学」を見たいという稀な志、など、貴重な見解と促しや励ましが、350ページを越える本文のそこここに目白押しで、タイトルに「やっぱり」とわざとらしくあるのにも、「なるほど」と納得した。
多和田葉子、楊逸、綿矢りさ、と女性ばかりが占めた実作者三人の、それざれの「越境性」や「世界性」をどこに見るかは、読む人それぞれの、読んでのお楽しみということにしておくが、これも面白いぞ。  

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