これがニーチェだ (講談社現代新書) の感想

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参照データ

タイトルこれがニーチェだ (講談社現代新書)
発売日販売日未定
製作者永井 均
販売元講談社
JANコード9784061494015
カテゴリ人文・思想 » 哲学・思想 » 西洋思想 » 西洋哲学入門

購入者の感想

永井さんはこの著作で、ニーチェがキリスト教の僧侶や道徳に対して行ったのと同じ作業をニーチェに対して為しました。

ニーチェが放った鋭い批判の言葉からは、ニーチェ本人すら逃れられるものではなかった。ニーチェもまた自身の言葉に絡めとられてしまうのは必定だったのです。
ルサンチマンへの嫌悪感を示すニーチェをそこまで駆り立てたものとは、いったいなんだったのか。

永井さんは、嫌らしいまでにニーチェの足場を崩しにかかります。この種の嫌らしさこそが哲学的には重要であると思うのですが、これには、ある切実な問題意識を持ってニーチェに接した永井さんならではのものを感じます。

「ニーチェは『キリスト教は「大衆」向きのプラトン主義である』と言ったが、それならば、ニーチェ主義は俗人向きのキリスト教であるといえよう」
第四章で永井さんはこう書いています。
「ニーチェ主義」などという主義があるとすれば、それはニーチェに依らざるを得ない弱さの中にあるものといえます。

それなら強さとは、《超人》とは?
永遠回帰も超人も、サラサラと誰にもわかるように解説できてしまうようなものではありません。
そのことを教えてくれる試みです。

『これがニーチェだ』とは永井さんが言ったことで、ほかの誰でもありません。本の中身は永井さんの哲学です。永井さんが解するニーチェです。

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