行政学 の感想

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参照データ

タイトル行政学
発売日販売日未定
製作者西尾 勝
販売元有斐閣
JANコード9784641049772
カテゴリ社会・政治 » 政治 » 日本の政治 » 行政・官公庁

購入者の感想

 本書は、行政学の教科書に留まらず、社会科学の論理体系を学ぶ教科書として優れている。

 行政学の側面から見ると、基礎的な知識から複雑な論説の判断まで書かれており、対応範囲は幅広い。節の冒頭は、「官僚制」や「政治と行政の関係」等の基本的な論点を整理している。節の後半は、複数の論説にまたがる判断を説明している。後半の複雑な判断は、前半の知識により必要十分に理解できるため、読みやすい。

 社会科学の側面から見ると、本書は客観的な判断基準を示して論を展開している。またパラグラフごとの主張は明瞭であり、パラグラフの間の論理の流れは、節の主張を必要十分に支えている。そのため、読者に浮かぶであろう疑問点は、ほぼ完全に回答されている。

 本書は、行政学の知識に留まらず、社会科学のお手本となる点で、文句無しの星5つとした。

 本書を先日法学や政治学の本と一緒に安価で購入したが、読んでいくと、法が外殻を規定し、政治がそのあり方を定めた制度・システムとしての行政組織がどう動くのか、非常に具体的・現実的に教えてくれる効果的な1冊だった。
 構成は全20章。本編は400ページ強。一章分に20ページ前後の分量が配分されている。図表も用いられ、各章の末尾には関連の実例を主に取り上げたコラムがある。巻末には10ページにわたる参考文献が収録されている。
 内容は、まず最初の4章で本書全体がカヴァーする事柄、行政学自体の問題領域とそれの歴史的形成過程を概説する。第5章と第6章は国家内の中央地方関係についての概説と日本での実際例、第7章では議院内閣制と省庁制を押さえた後、第8章では日本の公務員制の構成原理、第9章から第13章までが官僚制の組み立てと働き、この5章に渉る部分がこの著作のひとつめのハイライトのように読める。ふたつめのハイライトはその後に続く第14章から第18章までの政策形成・政策立案・政策実施・政策評価という一連の行政機関の活動を追った部分で、第19章は行政管理と行政改革、第20章は行政統制と行政責任、という、それまで本書全体で取り上げられていた諸事項を、現在の行政の実情に対する理解と対応策へとつなげる論点で本編が締めくくられている。

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