情報セキュリティ読本―IT時代の危機管理入門 の感想

本書は2009年8月に出版された“三訂版”をもとに、四訂版として出版されたものである。3年以上が経過し、攻撃やセキュリティに対する情勢は変化したはずであるが、中味は三訂版とほとんど変わらない。3章の6で「スマートフォンの脅威と対策」（60〜61ページ）が唯一追加されたほかは、章の構造は三訂版そのものである。
コンパクトで薄い割には、セキュリティで必要と思える基本項目は網羅してある。セキュリティを教えるための新人教育の教材として適しているだろう。
しかし、三訂版から進歩がなく、図解も若干削除されている。評価は3つ星とするが、「情報セキュリティ読本 三訂版」の読者に限定すれば、2つ星だ。次期の新しい版では内容の一新を期待する。