Tokyo Concert の感想

アマゾンで購入する

参照データ

タイトルTokyo Concert
発売日1991-07-01
アーティストBill Evans
販売元Ojc
JANコード0025218634526
Disc 1 :Mornin' Glory
Up With The Lark
Yesterday I Heard The Rain
My Romance
When Autumn Comes
T.T.T.T. (Twelve Tone Tune Two)
Hullo Bolinas
Gloria's Step
On Green Dolphin Street
カテゴリミュージック » ジャンル別 » ジャズ・フュージョン » ニューオーリンズジャズ

購入者の感想

日本企画・制作のアルバムはその短絡的姿勢からあまり高い評価を得られませんが、このアルバムに関して、そのような考えは当てはまりません。充実しきったエバンズ・トリオ、初来日公演のエッセンスを捉えたCBSソニー会心の一作です。本当に吟味を重ねた一枚です。ジャケットデザイン、録音技術(当時最新)、曲順の設定まで、とことん力が入っています。(どうして海外での版権をファンタジーに譲ったのかが不思議。)リバーサイドの諸作とともに是非とも聞いてもらいたいアルバムです。

司会者のメンバー紹介から割れんばかりの拍手、観客の興奮が伝わってきます。一瞬の静けさを待ち始まるのがモーニング・グローリー。曲を慈しむかのように音を綴ってゆくエバンズ・トリオの演奏が続いてゆきます。前半のクライマックスはマイ・ロマンス。会場にいた多くの人たちは Waltz For Debby のB面の一曲目に酔った自分たちを思い出したことでしょう。新作 TTTT では非メロディアスなテーマに続くトリオの熱い演奏。そして精緻なピアノ・ソロ、ハローボリナスをはさんで演奏されるのが、「あの」グロリアズ・ステップ。当時は Live in Paris Vol.1が発売されているわけもなく、聴衆にとって、まさしくヴァンガード盤以来12年振りの再演。ラファロの妻グロリアのダンスを思い出させると名づけられたこの曲が、オリジナルと全く異なった表情をたたえて演奏されるのは、まさしく圧巻です。そして、アンコールにくるのがグリーンドルフィン・ストリート。日本公演の大成功からくる満足感がそうさせたのか、リラックスした雰囲気の中で繰り広げられる、スケールの大きなプレイは文句なくエバンズの演奏したグリーンドルフィンの中で白眉のものでしょう。

こんなすばらしいアルバムが日本人の手によって作られたことを誇りに思います。そして、購入しない手はありません。ビル・エバンズ・トリオ、まさしく中期の最高作と私は信じて疑いません。皆さんにも是非ともお勧めします。

歓声も上げず、固唾を呑んでエヴァンス・トリオの演奏に聴き入り、クライマックスでは自然発生的に拍手が沸き起こる…そして、演奏が終わると再び整然と拍手を送り続ける真面目で行儀の良い日本人の聴衆…

いくら演奏没頭型でオーディエンスなど眼中に無いないかのように見えるエヴァンスでも、この真摯な日本の人々の態度には感じるものがあったのではないだろうか?その答えがLPではA面に当たる冒頭からの4曲にあるように思う。じっくり腰を落ち着けた、とても丁寧な演奏に終始し、あたかも日本人聴衆への返礼とばかりに人間的温もりを感じさせる、非常に前向きなエヴァンス・トリオである。ただし、テンポが一定でジャズ的スリルを求めるには、幾らかの不満が残るのも確かだ。

そして、冷淡なダンディズムが堪らない魅力な#5で始まる後半からは、普段着のエヴァンス・トリオを堪能することが出来る。当日、急遽ソロ演奏に変更された美しい小品#7を挟んで、攻撃的エヴァンス本領発揮なTTTTとグロリアズ・ステップ、そして最後は軽くラテンリズムを取り入れ、幸福感に満ち溢れたグリーン・ドルフィン・ストリート迄、曲構成・演奏とも非常に充実した内容を誇っている。こちらも唯一、不満を言わせてもらえれば、全ての演奏を終えて、会場に響き渡る観客の割れんばかりの拍手が一瞬でカットされてしまう事だ。演奏後の余韻に浸る時間を我々にも与えて欲しかった。

あなたの感想と評価

コメント欄

関連商品の価格と中古

Tokyo Concert

アマゾンで購入する
Ojcから発売されたBill EvansのTokyo Concert(JAN:0025218634526)の感想と評価
2017 - copyright© みんこみゅ - アマゾン商品の感想と評価 all rights reserved.