ジャーナリズム崩壊 (幻冬舎新書) の感想

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参照データ

タイトルジャーナリズム崩壊 (幻冬舎新書)
発売日販売日未定
製作者上杉 隆
販売元幻冬舎
JANコード9784344980884
カテゴリジャンル別 » 社会・政治 » マスメディア » ジャーナリズム

購入者の感想

本書が書かれた2008年当時、記者クラブの弊害については既に多くの批判があったはずだが、それはともかく、筆者の指摘はまさにその通りで、現在もそれが一向に改められていない現実には、暗澹とせざるを得ない。
今後も、上杉氏の活躍には期待したい。

ところで、氏が手本として上げるのはニューヨークタイムズであるが、その「イラク検証報道」(p204)については、相当違和感を感じる。
確かに、自らの過ちを認めその検証報道を行った同紙の対応は、日本の新聞にはなかなか見られないものであるのは確かだろう。
しかし、罪もないイラクの人たちを滅茶苦茶に殺してまわり(それを支持にしておいて)、イラク攻撃も終わった段階で、あれは間違いでした、といっても、ちゃんちゃらおかしい。失われた多くの命は戻らない!、それがなんだ!、イラクの人たちは怒るだろう。
この検証が立派だというのは、このイラク戦争でアメリカ軍に殺されなかった人間のいうことである。

蛇足だが、氏は海外のメデイアが日本に比べていかに優れているか、を書いているのだが、この場合、海外=アメリカである。「海外のメデイア」というなら、フランスもイタリアもザンビアもシリアも中国も北朝鮮も検証しなければならない。海外=アメリカという発想は、外人=アメリカ人、外人=英語を話す、みたいな幼稚な発想である。

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