世の中への扉 ピアノはともだち 奇跡のピアニスト 辻井伸行の秘密 の感想
参照データ
タイトル | 世の中への扉 ピアノはともだち 奇跡のピアニスト 辻井伸行の秘密 |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | こうやま のりお |
販売元 | 講談社 |
JANコード | 9784062169011 |
カテゴリ | » 本 » ジャンル別 » ノンフィクション |
購入者の感想
面白くて一気に読みました。
第58回青少年読書感想文全国コンクール課題図書とのことですが、内容は深く示唆に富み、大人にとっても十分ためになります。
最初、「障害に負けず頑張ろう」みたいな薄っぺらな本かと思いましたが、全然違いました。
今や世界的ピアニストの辻井伸行氏。
本書では、彼が全盲で生まれてから今日ピアニストとして名を得るまでの物語− ご両親がどんな教育をし、どんな人々が支え、彼自身がどんな努力をしたのか− が、長年の取材をもとに丁寧に描かれています。
母親・辻井いつ子氏の本は、我が子の成長や子育ての苦悩が、母の立場で情感豊かに描かれているのに対し、本書はまったく別です。プロの作家が第三者の視点で大局的に、むしろ感情に支配されず、深い洞察のもとで一人の半生を鋭く書き切っています。
一人の人間がいて、その人に心動かされて応援する人がいて、その輪が広がっていき、とてつもない大きなパワーとなって偉業が成し遂げられるさまは、圧巻です。
仕事を持つ立場で読むと、その辺のビジネス本より多くの学びがあります。
辻井さんにとってピアノは「ともだち」であり生き甲斐であり・・・。では自分にとって辻井さんのピアノにあたるものは何なのだろうか、と考えさせられます。
さらに特筆すべきは、本書の細部に宿るリアリティです。
作者は辻井さんの子供時代から取材を続けてきたそうで、一文一文に真実味を感じます。だからこそ、子供向けにわかりやすい言葉を使いながらも、音楽に詳しい人が読んでも違和感ない、質の高い内容に仕上がっているのだと思います。
第58回青少年読書感想文全国コンクール課題図書とのことですが、内容は深く示唆に富み、大人にとっても十分ためになります。
最初、「障害に負けず頑張ろう」みたいな薄っぺらな本かと思いましたが、全然違いました。
今や世界的ピアニストの辻井伸行氏。
本書では、彼が全盲で生まれてから今日ピアニストとして名を得るまでの物語− ご両親がどんな教育をし、どんな人々が支え、彼自身がどんな努力をしたのか− が、長年の取材をもとに丁寧に描かれています。
母親・辻井いつ子氏の本は、我が子の成長や子育ての苦悩が、母の立場で情感豊かに描かれているのに対し、本書はまったく別です。プロの作家が第三者の視点で大局的に、むしろ感情に支配されず、深い洞察のもとで一人の半生を鋭く書き切っています。
一人の人間がいて、その人に心動かされて応援する人がいて、その輪が広がっていき、とてつもない大きなパワーとなって偉業が成し遂げられるさまは、圧巻です。
仕事を持つ立場で読むと、その辺のビジネス本より多くの学びがあります。
辻井さんにとってピアノは「ともだち」であり生き甲斐であり・・・。では自分にとって辻井さんのピアノにあたるものは何なのだろうか、と考えさせられます。
さらに特筆すべきは、本書の細部に宿るリアリティです。
作者は辻井さんの子供時代から取材を続けてきたそうで、一文一文に真実味を感じます。だからこそ、子供向けにわかりやすい言葉を使いながらも、音楽に詳しい人が読んでも違和感ない、質の高い内容に仕上がっているのだと思います。