ロースクール演習 刑事訴訟法 の感想

まだまだ４０代前半の若手ではありますが、亀井先生が書かれた良質な演習本です！
（難関校の）ロースクール入試に使うとしても有用ですし、ロースクールに入って深く判例を勉強した後から読んでもまた新たな発見がある秀逸本です！

本書の特徴としては以下が挙げられます
●構成は
【判例をベースとした事案】→【設問】→【出題意図】→【解説】→【答案作成上のポイント】→【参考文献】
となっています。
　・【出題意図】にはベースとなった判例の年月日、書くべき論点などが指摘されている
　・【答案作成上のポイント】では解説を踏まえてどう紙面上に表現すべきかが書かれており、学者の方が書いた本の中では稀有である。
　・参考文献には、法学教室やケースブックの該当頁が記載されており、調べるときに非常に時間の節約となる。特に『令状基本問題』、酒巻先生、川出先生などの論文などがリファーされている。
●問題であるが、判例ベースであるが、判例の事案とは若干事実を異にしており、その「違い」からどう結論が分かれるのかを考えさせるようになっている。
●答案で実際に使えるような判例のフレーズが随所で記述されている。
●『おとり捜査』『秘密録音』なども出題されている。
●捜査１５題、公訴４題、公判２題、証拠７題、裁判２題
●著者である亀井先生は辰巳の答練の出題者でもあり、アカデミックな議論のみならず受験テクニックなどにも精通している

ひと通り刑訴を勉強した人は、１冊終えるのにさほど時間がかからないと思うので、是非手にとられることをオススメいたします！