阿Q正伝 (まんがで読破) の感想

これまで、このシリーズの「種の起源」「君主論」「わが闘争」「失われた時を求めて」を読みましたが、
この本は少々期待ハズレでした…。
何が期待ハズレだったかと言いますと、まず、阿Ｑ正伝が「ギャグ漫画」となっている点です。
まるで現代日本が舞台のギャグ漫画を読んでいる感覚がしました。
私の持っている清王朝末期のイメージや、阿Ｑ正伝のイメージとは、かけ離れていました。

次に、「精神勝利法」という単語を堂々と使っている点です。
私は岩波文庫で阿Q正伝を読みましたが、「精神勝利法」という単語は出てきません。
インターネットで「ググる」と「精神勝利法」が出てきますね。
阿Ｑや清王朝時代の民衆は、意識的に「精神勝利法」を使っていません。
列強諸国に侵略された清王朝の負け犬の勝利宣言が「精神勝利法」であり、
「精神勝利法」は、その時代シナに蔓延した「空気」のようなものです。（現代も微妙に蔓延してますが…）
インターネットで議論をしていると、突然「勝利宣言」を出して逃げ出す人がいますが、まさにアレです。
そして魯迅は、それを皮肉ったのであり、「精神勝利法」などと定義し指摘してないハズです。
「精神勝利法」と指摘するのではなく、なんとなく皮肉って欲しかった…。

本当は★３つにしようと思っていましたが、最後の、子供が「つまんなーい」と言うシーンと「銃殺より首切りの方が面白いのに…」のシーンが、まさに私が求めていた阿Ｑ正伝と一致したので、★４つにしました。