一億人の英文法 ――すべての日本人に贈る「話すため」の英文法(東進ブックス) の感想

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タイトル一億人の英文法 ――すべての日本人に贈る「話すため」の英文法(東進ブックス)
発売日販売日未定
製作者大西 泰斗
販売元ナガセ
JANコード9784890855278
カテゴリジャンル別 » 語学・辞事典・年鑑 » 英語 » 英文法・語法

購入者の感想

40歳を超えて英語を、まずは会話をしなければならない環境になったため購入しました。
私が学生時代に今のような学習教材、環境があればきっと英語が好きになっていた事でしょう。本音を言うと、今は、今でも、今更、正直面倒くさくて嫌いです。

とは言えこの本は、私のように「英語が嫌いになってしまった人」に向いているかもしれません。

その中でも、
・中学生レベルの文法を何となくでもいいので覚えている
・文法書を読んでも『なんでこうなるの?』と感情面でしっくりこなかった
・でも、ある程度、英語を話す環境にいる
という人には理解をサポートしてくれる機能を持っているかと思います。

点と点が線になり、そして面になる、という感覚というのか、、、。

とは言え、この本は、英語学習のあくまでも参考書の一つです。「書く」「読む」には文法に特化した本がもう1冊必要です。ロイヤルやForestのようなガチガチ文法書とは違います。何でもそうですが、「これ一冊でOK」なんていう魔法の本は無い、という事をお伝えしておきます。

さて、私個人の感想ですが、この本のお蔭で似たような副詞や形容詞の使い分け、前置詞、動詞の感覚の理解が深まったと思っています。nativeと会話する時、言葉に載せられた感情や意図、リズムを掴みやすくなりました。

これまでの大西先生の本はほとんど扱っていない文法事項もありましたが、この本はかなり網羅性が高くて便利です。他の文法書にはまず書かれていない英語の「なぜ」にしっかりと答えるところが大西先生らしく、英語を勉強する人にはどんどん薦めたい本だと思います。ただ、この本が解説している、修飾の原則「前から限定」については納得できない点もあります。たとえば関係詞の制限用法(先行詞がどんなものかを、その「後ろ」の関係詞節が限定する)はこの原則が当てはまっていないような印象を受けますし、『現代英文法講義』(p. 474)には、前に置かれた修飾語が後ろの語の内容を限定していない例も紹介されていますので(Come and meet my beautiful wife.のような例。「美しい妻」以外に「美しくない妻」がいるわけではない)、どのように理解したらいいのか悩んでしまいます。単に私が誤読しているだけかもしれませんが、このあたりのことを納得しやすくしていただけるともっと良かったと思います。

◇◆◇補足:このレビューに対して、後日、大西先生のブログよりコメントをいただきましたので、ご紹介しておきます。(大西先生、ご回答ありがとうございます。やっぱり先生はすごいと改めて実感させられました)

[短い答え]
 こうした疑問は学校文法の不用意な説明に起因していることですから、僕は説明の責を負っていません。学校文法に「それでは英語の配列は、前から限定を行ったり後ろから制限(限定)を行ったり、あるいは前に置いても限定しないことがあったりするのですね。そこにいったいどのような法則性があるのですか。英語の語順には法則性がないのですか」と、問い質せばよいだけのことです。私にではなく、学校文法関係者へ訊いてあげてください。

 とはいっても、「どんどん薦めて」いただけるようなので、ちょっとだけ説明しておこうかな。はは。

[長い答え]
 学校文法では「限定」という語句が不用意に使われているため、「前」「後」という位置についての洞察が得られないのです。「一億人の英文法」では「前は限定」・「後は説明」と、修飾位置とその果たす役割を明確に区別しています。

一日で一気に読み終わりました――と書いていらっしゃるリーダーが何人かいらっしゃいますが、ぼくにはとても信じられません。こんなに中身が深い本を一気に読んじゃあだめなんじゃないかなって。早けりゃ頭が良いってことにはならないんじゃないかって。そう思えるんですが。まあ、それはいいとして。

「心が動く」から「この形になっている」。「心が動く」から「このロジックが現れる。」・・・この本では、そういう機序がしつこいほどていねいに説かれています。説明と絵(自作)とが一体となっていて、過去形は<距離感の表現>、現在完了形は<迫ってくる感じ>ということが一発で頭に入ります。それだけじゃない。例文が実に的確なんです。
a) I ate alligator tails.
b) I’ve eaten alligator tails.
「ワニを食べた」という内容をこうやって感覚の差異に即して表現し分けるんだよと教えてくれるわけですから、イメージのうえでどんぴしゃりと入るわけです。
つまり、説明と絵と例文の三位一体解説です。

ぼくは普段の仕事の合間にこの本を読んでいます。ニューヨークタイムズやジャパンタイムズを読みながらこの本を読んでいます。お蔭で、どんどん基礎力が確実なものとなり、ネイティブの意識を味わいながら英字新聞が読めるようになりつつあります。

その効果は、後ろへ後ろへという意識の流れがつかめる!ということです。これはただ読む速さが増すなんていうレベルのものじゃありません。ネイティブの意識の流れとシンクロしながら読むという快感経験なのです。

総じて、この本は、こういう規則だからこういう意味になる・・・という従来の教え方を完全に破壊してくれたうえで、ネイティブの話す意識に即して考えれば当然こうなるでしょ!という教え方だと言えます。

NHKの「仕事の基礎英語」をたまたま見て大西先生のすごさを知り、その著書をさがしたわけですが、やはり期待以上の本でした。一生の愛読書になりそうです。

以下、2015年1月24日加筆

オフの日を一日潰してしっかり全部読みました。

イメージとしては「forest」のような文法参考書です。
文法事項が体系的にまとまっており、付録に「不規則変化表」や「数の表現」「文内で用いられる記号(,や:など)」の解説まで付いています。

しかし、それらの本と異なる点は、
文法事項をネイティブスピーカーの視点でとらえ解説していることにあります。
今まで大西先生が出された本(ネイティブスピーカーシリーズやハートで感じるシリーズ、イメージ英文法シリーズなど)で一貫として行ってきたことです。

既存の文法参考書は、学習者がぶち当たる「何でそうなる?」に答えていないことが多く、この本は「なぜそうなるのか」ということを中心に書かれているので納得しながら先に行けると思います。ネイティブスピーカーが英語を話す時のイメージ、感覚を身につけることが出来るので、応用が利きます。

今回の一億人の英文法では話すための文法語法の解説をすべて網羅していることから、
大西先生の本の集大成といった感じです。

文法事項の解説は今までの本の中で一番洗練されていると思います。
ただ、前置詞や副詞(out,off,up,down)などの語彙はネイティブスピーカーシリーズの方が分かりやすいです。
1冊の参考書という性質上(コンパクトに収める必要があるため)、かなりわりきった書き方をしなくてはならないので仕方のないことかもしれませんが。

東進ブックスということもあり、受験英語も少し意識していたように思えます。
私は英語教育者ではないので恐縮ですが、受験英語の観点から見ても十分受験に対応できると思います。
そういった意味でも万人にお勧めできます。

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