Technique of Child Psychoanalysis: Discussions with Anna Freud の感想

本書はHampsted Clinic勤務の精神分析医3名によるChild Psychoanalysisの教科書的書物で、｢Discusions with Anna Freud｣というサブタイトルが示す通り、著者らによる解説毎にAnna Freudのコメントが付加されるという言わば二重構造を取った書物です。内容的にはChild Psychoanalysisの臨床現場に於ける全てを(具体的な症例の紹介を交えながら)扱っていると言っても決して過言ではなく、またS.Freud在りし日には未確立だったTreatment Allianceについて丸々一章を割くなど比較的新しいものになっています。ただし本書はあくまでも臨床家(或いはそうなる為の訓練を受けている人)向けの書物であり、読者が精神分析学の基本知識＋αを既得していることを大前提に書かれていることは知っておいたほうがいいと思います。