SONGS FOR THE STARLIGHT の感想

全作『WE ARE ONE』も最高傑作だと思ったのですが、
それから４年３ヶ月、さらに進化した彼らの新しい最高傑作が出来たと思います。

アルバムに入っている曲のうち、約半分はすでにツアーで披露されている曲だったので
ファンからすれば馴染みの曲が多いよな、どうなのかなと思っていましたが、いやはや、
ここまでCDとライブで差があるとは思いませんでした。はっきり別の印象があるくらい、
完成度が高いです。

ひとつひとつの素晴らしさを語りたいところですが、今回の印象としては、なにより
作詞作曲・和田唱の「歌のうまさ」と「歌詞の素晴らしさ」をレビューとして特筆したい
と思います。山下達郎的、というよりは大滝詠一的な上手さ。
そして、どんな時でも「あえて」前向きでいようとする意志がこめられた歌詞。その上
その「あえて」を強調しない潔さたるや、ひとつひとつが大真面目な前向きさに溢れて
います。

そしてそれを、過去最高のグルーヴで叩き込むセンスと演奏！踊らずにいられない心地
よさを全面に押し出して、歌詞のメッセージ性を重くしすぎないバランス感覚！最高！
そのグルーヴを作り出す、かつてないほどうねって跳ねる林さん、最高です。日本最高
のドラマーのひとりである吉田さんの手数とダイナミズムが両立する凄まじさ、最高で
す、ほんとに最高のアルバムです。

最後の『ふたつの窓』は昨年のアコースティックイベント『12Bar-13-』にも収録され
ていますが、大幅にアレンジされてるので比較して楽しむのもアリアリです。
メンバー間にも色々あった時期のこの曲は、一見ラブソングですが、メンバーとの歩み
の歌にも聞こえます。この歌が、元々の意味を超えて輝きを放っていることをうれしく
思います。

どんな時のフロアにも響くアルバムになっていると思います。
ぜひ、みなさんも一度お聞きください。

（個人的には、色々な歴史を見届けてきた長年のファンとして、今回のタイミングの