診断のゲシュタルトとデギュスタシオン の感想

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タイトル診断のゲシュタルトとデギュスタシオン
発売日販売日未定
販売元金芳堂
JANコード9784765315661
カテゴリジャンル別 » 医学・薬学・看護学・歯科学 » 臨床医学一般 » 診断学一般

購入者の感想

岩田先生が前著「構造と診断」で紹介したゲシュタルトの考え方を自ら敷衍・発展させた著作、では(残念ながら)ありません。

「診断がつく」ダイナミズムの瞬間には、個々の症候の総和(構成主義的な全体)を超えた枠組みが俯瞰されており、それを「ゲシュタルト」と呼んで峻別したのが前著での創見であると評者は勝手に解釈していましたが、「はじめに」を読むと、岩田先生自身がゲシュタルトについて説明に困惑している雰囲気を感じました。印象としては「構成主義」の枠組みでゲシュタルトを説明しようとして矛盾しているような。
例えば、何箇所か引用すると、
…ぼくらがここでいう「見た目診断」は「直観」ではありますが「直感」とか「勘」ではない、と申し上げておきたいです。M・ポランニーの「暗黙知」(tacit knowledge)には若干近いとおもいますが、それとも違うような感じです…
《評者註:どう違うのだろうか、むしろ「暗黙知」そのものではないだろうか、つまり人は(どういう仕組みにおいてか不明だが)感覚の総和以上のものを暗黙知として認識して「全体を把握」しているのではないか》
…全体像を一言でまとめてしまうわけです。もちろん、この「ズバリ」は我々の度肝を抜きはしますが、全体像そのものが見えるようになりはしません。今度は全体像の詳細な描写が必要になります…
《評者註:そうやってしまうと結局「部分の総和としての全体」になりはしませんか?》

編者と各執筆者がどの程度「ゲシュタルト」の描写について議論されたかよくわかりませんが、各執筆者の解釈するところの「ゲシュタルト」が描写されており、ほうほうこの先生はこの疾患についてこうお考えなんですな、と、やや下世話な興味で読ませる章があります。臨床スコアリングによる診断はゲシュタルトと随分かけ離れているように思いますが、それがその先生にとっての「ゲシュタルト=部分の総和を超えた全体像」であるとすれば、特に異論はないです。筋炎の自己抗体とかは…どうなんでしょうね。普通の雑誌総説のような章もあり、玉石混淆の印象は否めません。
個人的には「閉鎖孔ヘルニア」「急性膵炎」の章にただちに感心しました。

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