誘蛾灯 鳥取連続不審死事件 の感想

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参照データ

タイトル誘蛾灯 鳥取連続不審死事件
発売日販売日未定
製作者青木 理
販売元講談社
JANコード9784062186735
カテゴリ »  » ジャンル別 » ノンフィクション

購入者の感想

ほぼ同時期で類似の木嶋佳苗事件の華やかさと対比して、鄙びた地方で起った、事件に関わる最下層で蠢く人々の暮らしぶりや、刑事司法の僻地における杜撰さを描いていく ー 地方に暮らす者としてその主題は興味深いものだった。しかし、鳥取に整備されていないのは交通インフラばかりではなく、警察、司法機関の機能さえも、こういった重大事件の用に足りていない、といったあたり、いかんせん踏み込み不足のように感じられた。フリーの筆者一人の東京からの出張取材では、限界があるのかもしれない。

鳥取市は、ほんとうに何も無い。とても狭く、人も居なければ、見るべき名所も、自然さえも無い。
私は鳥取市在住で、なじみ深い近所の事件あるからそれなりに面白く読めたが、長々と続く、どこも同じの地方都市・疲弊した繁華街の無惨な様子や、救いようの無い最下層の人々の描写などは、他所、とくに東京や大阪など都市部の読者にすれば、とても退屈(それは無意識に目を背けたい)で、最後まで読んでいられないのではなかろうか。

情報発信地・東京から見た、陸の孤島の取材の困難さ、都市部の人々が無関心にならざるを得ない地方都市の絶望状況、この二点そのものが、打ち捨てられた田舎にとっての、この本の存在価値であるように、読後は思われました。

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