心不全の基礎知識100―心不全治療のためにあなたにできること100の可能性 の感想

見開き2ページで1項目を解説する（例外的に3ページに渡るものもあります）形式で、各項目毎に『POINT』が2行前後でまとめられています。
心不全の病態生理・治療・医療システムなど、多岐に渡り、解り易くまとめられている内容に感心させられました（偉そうな言い方ですみません）。
2010年末に承認されたばかりの利尿剤（かなり高価…）に関する記載もあり、この1冊で基礎知識は十分だと思いました。

例えば、ご自身やご家族が心不全である“一般の方”が理解するには、少し難しいかもしれません。
最後の『PART 5　医療システム』中で述べられている“緩和ケア”“末期治療”は、ご家族こそが、痛切にその必要性を感じているのではないかと思います。
特に、『99　入退院を繰り返す心不全患者の家族がかかえる社会的問題点』は、「まさにその通りです！」
（心不全患者は、呼吸困難はあっても、身の回りの事は出来る為、介護認定されないケースが多い。
末期になり介護が必要な状態になると、今度は疾患が重症・複雑になりすぎて、現在の訪問看護体制では対応できない）

私のような“心不全の家族を持つ医療従事者”の視点から見て、是非お勧めしたい1冊です。