Next CD の感想
参照データ
タイトル | Next CD |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | Michael Crichton |
販売元 | HarperAudio |
JANコード | 9780060873097 |
カテゴリ | Audio CDs » Authors, A-Z » ( C ) » Crichton, Michael |
購入者の感想
常に世界の自然科学の最先端の話題を取り上げて新作を疲労してくれるマイケル・クライトンの今回の作品は「遺伝子操作、組換え」がテーマです。いつも通り、入念な調査、準備を下敷きにして遺伝子を巡る世界の研究開発と産業界で巻き起こる凄まじい競争の実態を丹念に、しかし分かりやすく描き上げてくれました。専門用語が大変ではありますが(それは彼の作品すべてがそうなのだから仕方ありません)、読みやすい平明で無駄のない文章、簡潔でスピーディなストーリー展開、視覚的なイメージの明瞭さはいつもの通り。そして、人間の欲望が生み出す俗世間のドラマにしながら、作者マイケルから世界の読者への熱く強いメッセージが込められているところも、全く以っていつも通り。その点でファンには期待通りの作品になっていると言っていいでしょう。
「遺伝子」とは何なのか、人間存在とは遺伝子のみで決められてしまうものなのか、そこに操作を加えることは「神の意思」に反することではないのか、さまざまなテーマが作中の出来事や登場人物の言葉によって語られます。しかし、同時に「節度」というものを知らない登場人物達の欲望が、人間ではない何かの遺伝子にちょっとした操作を加えてしまい…。
世界各地で起こる一つ一つのエピソードがやがてチェイスに変わり、アメリカの一つの町へと収斂して行きます。痛快過ぎるチンプ君の大活躍や、読者まで頭が割れそうになって来るオウム君の叫び声やとハラハラドキドキが続いて、最後にはジョングリシャムも真っ青と言っていいような判事さんの胸のすくような裁定が下ります。
ラストシーンは確かに含蓄に富んでいるけど、でもこの大作の結びにしてはちょっとあっけないかな。ということで星四つでした。
「遺伝子」とは何なのか、人間存在とは遺伝子のみで決められてしまうものなのか、そこに操作を加えることは「神の意思」に反することではないのか、さまざまなテーマが作中の出来事や登場人物の言葉によって語られます。しかし、同時に「節度」というものを知らない登場人物達の欲望が、人間ではない何かの遺伝子にちょっとした操作を加えてしまい…。
世界各地で起こる一つ一つのエピソードがやがてチェイスに変わり、アメリカの一つの町へと収斂して行きます。痛快過ぎるチンプ君の大活躍や、読者まで頭が割れそうになって来るオウム君の叫び声やとハラハラドキドキが続いて、最後にはジョングリシャムも真っ青と言っていいような判事さんの胸のすくような裁定が下ります。
ラストシーンは確かに含蓄に富んでいるけど、でもこの大作の結びにしてはちょっとあっけないかな。ということで星四つでした。