動物園革命 の感想

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参照データ

タイトル動物園革命
発売日販売日未定
製作者若生 謙二
販売元岩波書店
JANコード9784000257954
カテゴリジャンル別 » 科学・テクノロジー » 生物・バイオテクノロジー » 動物学

購入者の感想

この本は大きく分けて二つの要素からなっている。
一つは動物園、そしてその展示の歴史などについて、著者が様々な文献を元に考察・整理している部分である。著者は、動物園の歴史に関して、かつて佐々木親子によって記されて以降30年のブランクを埋め、更にはスタートを上野開園ではなく江戸時代まで遡らせることで、従来よりも深い動物園史の構築に成功している。そこから導き出される動物園という装置についての考察も興味深いものである。
また、今まで動物園の展示に関してはこれまできちんと整理されてこなかった領域であるが、その展に関して著者は豊富な文献と自らの経験を元に緻密な考察を重ねており、「動物園展示学」と呼んでも差し支えないようなレベルにまで昇華させている。

今の動物園に何が起きているのか?近年、メディアへの露出が大きい旭山動物園が動物園の未来全てのように思われることも多いと思う。だが、この本を読めばいくつもの動物園が、それぞれの未来へ向けて戦っている姿を知ることが出来る。今までとは違った動物園の楽しみ方が出来るようになりそうだ。

二つ目は著者の自伝的な部分である。生き物好きで動物園に通っていた年少時に始まり、大学、会社、そしてまた大学と著者が様々なキャリアを踏みながらも、「動物園展示」という世界に徐々に漬かっていく姿が書かれている。
著者が現在でこそ大学の教授という立場にいるが、決してエリートコースを邁進してきたわけではない。しかし、自分の好きなものを常に見つめながら想いを追求している姿には底抜けのエネルギーと強い意志を感じずには居られない。そして著者のすごいところは、自分の進んできた全てのキャリアから何かを学び次につなげていく姿勢と、それぞれのキャリアを思い切り楽しんでいるところである。
会社に入ることがゴールになってしまっている多くの大学生などには是非読んでほしい。
夢を叶えるための道は、既に敷かれた王道だけではなく、自ら築いていけるのだということを強く感じられるだろう。

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