誰も教えてくれなかった診断学―患者の言葉から診断仮説をどう作るか の感想

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参照データ

タイトル誰も教えてくれなかった診断学―患者の言葉から診断仮説をどう作るか
発売日販売日未定
製作者野口 善令
販売元医学書院
JANコード9784260004077
カテゴリ » ジャンル別 » 医学・薬学・看護学・歯科学 » 臨床内科

購入者の感想

vindicateを用いて臓器と原因の2軸で鑑別診断を挙げる方法を学生時代に学んだが、救急外来においてその方法(徹底的検討法)で鑑別を挙げると収集がつかなくなることが多々あった。
鑑別診断の挙げ方も一般の外来と救急外来では違う、といったことや、単なる頭痛の鑑別診断を考えるのではなく、「20代の頭痛」と「50代の頭痛」とわけて鑑別診断を挙げていくことが臨床で実際に使うことの出来る鑑別診断の挙げ方だということが、本書を読んで学ぶことが出来た。
ローテート研修をしていると上級医の経験に基づくパターン認識を目にすることが多々ある。その知識がどのようなものなのか、という理解にもつながる1冊であった。
医学教育・臨床研修を考える上でも有益だと思われる。

1年目の研修が始まり、すぐのころ。
救急外来、総合診療部で、上級医から、
この検査を出すべき、出してはいけない、この疾患を考えるべき、
など、具体的指示を聞くうちに、すぐに、混乱の渦へとハマってしまいました。
先生によって、考え方も、出すべき検査も、まったく違い、なんら一貫性を感じ得なかったからです。
無駄な検査をしないというのも、単に医療資源の無駄としか考えていませんでした。
国試とも全く違うし、この不思議な感覚の意味が分からずにいたところ、
この本と出合いました。

この本の根底にあるカードの発想や、3つの軸、感度・特異度を使った具体的な絞り込みなどを読むうちに、
先生によって、考え方が違っているように見えたものは、
実際は、持っているカードや軸の位置の違いや、経験上、どの検査が感度が高いか、特異度が高いか?
という違いだけで、基本的考え方は同じだと気付き始めました。
そして、気がついたら、まだ未熟なりとも、診療がやりやすくなり、
実際にどこを学べば、上級医に近づけるのか、明確になってくるのを実感しました。
上級医のアドバイスも、その方のスタンスはどの辺りかが明確になり、
一貫した考え方もわかってきて、非常にわかりやすくなってきました。

一緒に本書を買った同期の研修医も、本書のおかげで自信を持って救急外来をこなしています。
2008年に読んだ本の中で、一番、役立ちました。

なお、本書では、感度や特異度という言葉が多く使われていますが、
経験上の感度や特異度で十分で、必ずしもEBMのことではなく、
一般の経験を積んだ医師の発想を説明するための言葉です。0

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