Watching the English: The Hidden Rules of English Behaviour の感想

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ものすごく細かいところまで英国人について書かれた本です。小さな字で、全424ページもありますが、内容が楽しいので、結構すらすら読めます。この本、母国英国でもよく売れているらしいです。著者が毎日注意して観察し続けた英国人（著者自身もそうですが）と英国在住の外国人のinformantから収集した情報で、例えば会話、職場、遊び、衣服、食べ物、SEXなどで英国人の暗黙の規則を述べたり、上流、中流、労働者階級の違いが事細かに観察されたりしています。本文中、かっこ書きで（こんなことをする民族は世界であとは日本人だけです。）とよく出てきます。英国人性質を表すinhibited、reserved（思っていることをずばり言えない）、modest、courteousといった言葉が頻繁に使われています。私自身仕事で長年英国に住んでいて、日本人との共通点を本当によく感じていましたが、あらためて「こんなところもか。」と言った具合に関心と感動がいくつもありました。例えば毎日の通勤電車で、毎朝同じ顔に出会い、それが何年も続いたとしても、決してお互いしゃべりかけない、頭を軽く下げることさえ英国人はしない。「存在の否定」と書かれています。少しでもお互いの存在を認めると、それからは毎日、少しでも何かしゃべらないといけないといった義務感にかられ、他人と話すことがへたで苦手な英国人は重荷になるからだと説明されています。隣づきあいの苦手な我々日本人と何か似たところがあると思いませんか？