数理科学 2015年 01月号 [雑誌] の感想

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タイトル数理科学 2015年 01月号 [雑誌]
発売日2014-12-15
販売元サイエンス社
JANコード4910054690156
カテゴリジャンル別 » 雑誌 » 教育 » 教科別

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測定される時間、生物学的な時間、相対性理論における時間、場の量子論における時間、弦理論における時間、弦の場の理論における時間、弦の行列理論における時空の創発、ツイスター理論における時間の生成、量子力学における反粒子の時間、量子力学における順行する時間と逆行する時間の混在など、最先端の科学における時間の考え方を垣間見ることができる特集でした。

因果律と時間についてはこの特集号とは別の系統の考えもあります。
近代科学はガリレオを経てデカルトによる自然の幾何学化、代数化から始まりました。
カントは、因果律とは、Aが起こればBが続くという「総合」だと言います。カントは時間と空間をアプリオリな直観的な形式であると考えました。カントにおいては、因果律が時間を決めるという考えではなかったようです。

アインシュタインが相対性理論で直観的な時間の同時性が成り立たないことを示すことによって、当時の哲学は大きな打撃を受け、それにより、ハイデガーやフッサールの哲学が生まれました。
戦争の時代を生きたハイデガーは、可能的存在である現存在が、死という将来に対して、全体的決意性を持ち、配慮的気くばりによって世界を拓いていくという存在体制が時間性であるといい、時間は生まれるのだといいます。そして、頽落したひとの連続で無限の過ぎ去る時間は水平化された時間であると考えて区別しました(『存在と時間』)。
フッサールはもっと穏健に、存在が生活世界を志向性を持ち切り拓く時間によって、数学的物理学的時間を派生させようと考えました。

相対性理論と量子力学に深い影響を及ぼした数学者ワイルは、ハイデガーやフッサールに影響を受けました。「自由」という理念のために、因果律より統計性に重きをおき、物質が時空に作用し、物質は統計性を持つという考えです。ワイルの無限についての考え方は、カントール主義の無数の数の集合ではなく、有限を無限に分割したものとしての無限です。時間についても有限の時間が無限に分割されるという考えです。ワイルは時間よりも物質の統計が先にあるという考えだと思われます(『精神と自然』)。

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