彼女たちの売春(ワリキリ) 社会からの斥力、出会い系の引力 の感想
参照データ
タイトル | 彼女たちの売春(ワリキリ) 社会からの斥力、出会い系の引力 |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 荻上 チキ |
販売元 | 扶桑社 |
JANコード | 9784594067342 |
カテゴリ | ジャンル別 » 社会・政治 » 社会学 » 社会学概論 |
購入者の感想
一体どれだけの時間&お金&精神的労力を使ったのか、というくらい、出会い喫茶での「売春(ワリキリ)」に関して、膨大なデータが詰まった本。
出会い喫茶というカテゴリーに限定してはいるものの、売買春に関するデータを集めた本としては、間違いなく、過去最高傑作。
ただ、荻上さんご自身も本の中で書かれておられますが、これだけ全国を回って、目のくらむような大量のデータを集めても、
そこから見えてくる売春女性の現状(「疎外の連鎖」「不幸の世襲」等)は、この問題に少しでも関わっている人であれば、
もうゲップが出るほど聞かされた、極めて古典的なものです。
荻上さんの分析や取材が凡庸という話ではなく(誰がどう見ても非凡です)、売買春のフィールドワークや取材・分析に関しては、
誰がやっても、同じような結論しか出ない、というか、(問題の構造自体が、昔からほとんど変わっていないので)それしか出しようが無いのでは。
その意味では、売春女性のエピソードやデータの紹介に終始するのではなく、
現状を、少しでも「今よりマシ」なものにするための、
「ポジ出し」を、(仮説でもいいので)もう少しやってほしかったかな、と。
「要因がn個あれば、対処策もn個必要」「僕たちの問題でもある」と主張するだけでは、事実上、何も言っていないに等しいのでは?
ともあれ、売買春問題に関心のある方は、必読の一冊。
最後の決め台詞、「買春男に彼女たちを抱かせたくないのであれば、社会が彼女たちを抱きしめてやれ」、グッときました。0
出会い喫茶というカテゴリーに限定してはいるものの、売買春に関するデータを集めた本としては、間違いなく、過去最高傑作。
ただ、荻上さんご自身も本の中で書かれておられますが、これだけ全国を回って、目のくらむような大量のデータを集めても、
そこから見えてくる売春女性の現状(「疎外の連鎖」「不幸の世襲」等)は、この問題に少しでも関わっている人であれば、
もうゲップが出るほど聞かされた、極めて古典的なものです。
荻上さんの分析や取材が凡庸という話ではなく(誰がどう見ても非凡です)、売買春のフィールドワークや取材・分析に関しては、
誰がやっても、同じような結論しか出ない、というか、(問題の構造自体が、昔からほとんど変わっていないので)それしか出しようが無いのでは。
その意味では、売春女性のエピソードやデータの紹介に終始するのではなく、
現状を、少しでも「今よりマシ」なものにするための、
「ポジ出し」を、(仮説でもいいので)もう少しやってほしかったかな、と。
「要因がn個あれば、対処策もn個必要」「僕たちの問題でもある」と主張するだけでは、事実上、何も言っていないに等しいのでは?
ともあれ、売買春問題に関心のある方は、必読の一冊。
最後の決め台詞、「買春男に彼女たちを抱かせたくないのであれば、社会が彼女たちを抱きしめてやれ」、グッときました。0