The First and Second Lady Chatterley Novels (The Cambridge Edition of the Works of D. H. Lawrence) の感想
参照データ
タイトル | The First and Second Lady Chatterley Novels (The Cambridge Edition of the Works of D. H. Lawrence) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | D. H. Lawrence |
販売元 | Cambridge University Press |
JANコード | 9780521471169 |
カテゴリ | » 洋書 » Special Features » all foreign books |
購入者の感想
「チャタレイ夫人の恋人」には、一般的に知られている完成作の他、実は2つのバージョンが存在している。ロレンスは作品を仕上げる際、一度書いたものをちょこちょこ手直しするのではなく、まったく最初から新たに書きおこすという方法をとるからだ。この本には、当時日の目を見ることがかなわなかった第一稿、第二稿がおさめられている。
第二稿の邦訳は今でも古本屋で手に入りやすいが、第一稿の邦訳は存在するもののなかなか市場に出てこない。そこで、この原書を買うことにした。
第一稿は失われたページがあるし、また、文章・構成も荒削りだが、勢いがある。また、他二稿に比べこのバージョンはストーリー展開・登場人物の役割がかなり異なっていて、ほぼ別の作品のような印象を受ける。
第二稿は最終稿に通ずる物語展開となっているが、よりストーリー性が強く、またボリュームも最終稿を上回っている。ロレンス自身もこの第二稿をずいぶん気に入っていたらしいが、このバージョンが完成版となってもおかしくない出来である。
第一稿、第二稿とも、それぞれ主人公・コニーの性格設定には大きな変化は見られないが、彼女の愛人・夫の人格設定、また夫人と森番の関係、また結末など、それぞれが版ごとに大きくことなっている。まるで、三つの別々の物語を読んでいるようである。階級、男女の関係などに対するロレンスの考えのうつろいなど、三版読み比べると大変に興味深い。
また、巻末には用語解説・推敲箇所の補足説明・舞台となった土地の説明などなど、参考資料が大変に充実している。買って損はない一冊だと思う。
第二稿の邦訳は今でも古本屋で手に入りやすいが、第一稿の邦訳は存在するもののなかなか市場に出てこない。そこで、この原書を買うことにした。
第一稿は失われたページがあるし、また、文章・構成も荒削りだが、勢いがある。また、他二稿に比べこのバージョンはストーリー展開・登場人物の役割がかなり異なっていて、ほぼ別の作品のような印象を受ける。
第二稿は最終稿に通ずる物語展開となっているが、よりストーリー性が強く、またボリュームも最終稿を上回っている。ロレンス自身もこの第二稿をずいぶん気に入っていたらしいが、このバージョンが完成版となってもおかしくない出来である。
第一稿、第二稿とも、それぞれ主人公・コニーの性格設定には大きな変化は見られないが、彼女の愛人・夫の人格設定、また夫人と森番の関係、また結末など、それぞれが版ごとに大きくことなっている。まるで、三つの別々の物語を読んでいるようである。階級、男女の関係などに対するロレンスの考えのうつろいなど、三版読み比べると大変に興味深い。
また、巻末には用語解説・推敲箇所の補足説明・舞台となった土地の説明などなど、参考資料が大変に充実している。買って損はない一冊だと思う。