チベット旅行記 紀行文傑作集 の感想
参照データ
タイトル | チベット旅行記 紀行文傑作集 |
発売日 | 2014-02-17 |
製作者 | 河口慧海 |
販売元 | 古典教養文庫 |
JANコード | 登録されていません |
カテゴリ | » 本 » ジャンル別 » 文学・評論 |
購入者の感想
明治30年代、今より百十数年前厳重な鎖国をしいているチベットに原始仏教を求めて潜入したノンフィクション。
現代文明の利器を利用した如何なる冒険探検も足元にも及ばぬ旅行記と言えるだろう。日本を出てチベットに潜入するまでが三年有余、その間チベット語を学び潜入ルートや情報を探る。まず誰もが反対する旅である。自然条件が厳しい上になんの装備もない。
己の体力、意思だけが頼り、というより天に、仏に、我が命預けましたという楽観が運良くこの旅を成さしめたものであろう。
なにせ潜入途上見つかれば殺害されるという人災の危険が自然災害以上にあったのであるから。
それにしてもインドで失われた仏教の原点を当時は未だ原始社会といっていいチベットに命懸けで求めた意義が門外漢の私には十分納得できたとは言えない。
そのほかに有名人の紀行が十余点ある。夏目漱石の「満韓ところどころ」では思わず吹き出すところがあったし、与謝野夫妻の
「巴里より」では晶子がいかに多感な人であったかがよくわかった。
現代文明の利器を利用した如何なる冒険探検も足元にも及ばぬ旅行記と言えるだろう。日本を出てチベットに潜入するまでが三年有余、その間チベット語を学び潜入ルートや情報を探る。まず誰もが反対する旅である。自然条件が厳しい上になんの装備もない。
己の体力、意思だけが頼り、というより天に、仏に、我が命預けましたという楽観が運良くこの旅を成さしめたものであろう。
なにせ潜入途上見つかれば殺害されるという人災の危険が自然災害以上にあったのであるから。
それにしてもインドで失われた仏教の原点を当時は未だ原始社会といっていいチベットに命懸けで求めた意義が門外漢の私には十分納得できたとは言えない。
そのほかに有名人の紀行が十余点ある。夏目漱石の「満韓ところどころ」では思わず吹き出すところがあったし、与謝野夫妻の
「巴里より」では晶子がいかに多感な人であったかがよくわかった。
とても読み応えのあるノンフィクション、冒険小説、学術書でもあり、とても感動します。
筆者が大げさに表現しないのも魅力です。
筆者が大げさに表現しないのも魅力です。