思考の「型」を身につけよう 人生の最適解を導くヒント (朝日新書) の感想

ビジネス書コーナーにあるような、思考法系の本を二十冊近く読んできた。だいたい書いてあることは同じである。いい加減、読むのをやめようかと思っていたのだが、本書を立ち読みしてそのまま買ってしまった。

この本の内容は、そのへんの論理的思考法の本とはだいぶ異なる。
思考の型を身につけようというタイトルから、固定概念を身につけてしまうのでは、という誤解もありそうだが、そうではなくて、フレームワークのことを指して「型」と言っているようである。経済学で用いられる思考法の「型」であるから、そのへんのビジネス書で書かれている「型」とはだいぶ異なっている。

マーケティング、売上などの数値を分析をする必要がある人。
より自分の人生の「満足度」をあげたい人。
他人を理解して、自分自身への理解も深め、生活をより豊かにしたい人ーー。
経済学の考え方が用いられているだけあって、人と社会との関わりを軸にした論理的思考を必要とする人に、この本の内容は向いている。

一方で、「キャリアを積むと転職しづらくなる」「努力は必ずしも報われるわけではない」など、「現実」がよくみえるようにもなる一冊。既存の思考の「型」にとらわれず、冷静に「考え方」を学びたい人にオススメします。