ジーノの家―イタリア10景 (文春文庫) の感想
参照データ
タイトル | ジーノの家―イタリア10景 (文春文庫) |
発売日 | 2013-03-08 |
製作者 | 内田 洋子 |
販売元 | 文藝春秋 |
JANコード | 9784167838492 |
カテゴリ | 文学・評論 » エッセー・随筆 » 著者別 » あ行の著者 |
購入者の感想
これまでイタリア関連のエッセーといえば塩野七生氏のものしか知りませんでした(それはそれで大好きです)。
今回、知人に薦められたこのエッセー、内田洋子さんという初めて耳にする著者の方でしたが、大正解でした。
イタリア在住30有余年という含蓄のためか、収録された10篇の物語はどれも甲乙つけがたい情感と驚きにあふれていて、最後まで飽きることはありません。
塩野七生氏のエッセーは「イタリアという国の物語」という印象であるのに比べて、本書は「(出自がどこであれ)イタリアのいくつかの町や村にしがらみを持つ様々な人々への深い愛着と楽しい観察」の物語だと感じました。
何より人物描写に鋭さと愛情が同居しています。
自分の友人でも他人でも、その人物の振る舞いや衣装などの特徴を見事にとらえた描写で、私の頭の中に生き生きと映像が再現されました。
そして、どの物語も最後に「ウソ!?」っと思わせるような展開が待っています。
これが事実なのかどうなのか、確信が持てないような、よくできたエンディングもあります。
それでも「これがフィクションだとしてもかまわない」と思うほどに、全編を通して匂い立つイタリアの人々の生活感と喜びを満喫できました。
あー、イタリアに長期旅行したい(内田氏のように長年住むのは無理だとしても)。
そして、この著者の作品は、全部読んでしまいたい衝動に駆られる一冊です。
今回、知人に薦められたこのエッセー、内田洋子さんという初めて耳にする著者の方でしたが、大正解でした。
イタリア在住30有余年という含蓄のためか、収録された10篇の物語はどれも甲乙つけがたい情感と驚きにあふれていて、最後まで飽きることはありません。
塩野七生氏のエッセーは「イタリアという国の物語」という印象であるのに比べて、本書は「(出自がどこであれ)イタリアのいくつかの町や村にしがらみを持つ様々な人々への深い愛着と楽しい観察」の物語だと感じました。
何より人物描写に鋭さと愛情が同居しています。
自分の友人でも他人でも、その人物の振る舞いや衣装などの特徴を見事にとらえた描写で、私の頭の中に生き生きと映像が再現されました。
そして、どの物語も最後に「ウソ!?」っと思わせるような展開が待っています。
これが事実なのかどうなのか、確信が持てないような、よくできたエンディングもあります。
それでも「これがフィクションだとしてもかまわない」と思うほどに、全編を通して匂い立つイタリアの人々の生活感と喜びを満喫できました。
あー、イタリアに長期旅行したい(内田氏のように長年住むのは無理だとしても)。
そして、この著者の作品は、全部読んでしまいたい衝動に駆られる一冊です。