The Strategy of Conflict の感想

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参照データ

タイトルThe Strategy of Conflict
発売日販売日未定
製作者Thomas C. Schelling
販売元Harvard University Press
JANコード9780674840317
カテゴリ » 洋書 » Special Features » all foreign books

購入者の感想

ノーベル経済学書ということで読んでみたが、ゲーム理論の応用としての戦略理論、Strategy of conflictは興味深い内容であるとともに、門外漢には難解と感じた。戦略とは戦力の効果的な使用を目指すのではなく、その潜在力の発揮を追求するものと定義。戦略理論は共通利益と利害対立の共存、相互依存と敵対を否定するものでなく、現実社会を包括的に扱う。例えば戦略行動のひとつである「抑止」は敵対関係にありながら共通利益の存在を認識している相手でなければ成り立たない。戦略的には往々にして能力、資金力、情報力などの否定が逆説的に有利に働くことがある。妥協する権限のない代理人を使っての交渉が良い例。事前にCommitment(公約)することで交渉にあたっての柔軟性を遭えて捨てるのは、労働組合の常套手段だが、相手方の譲歩の範囲を超えた公約は膠着、交渉決裂の危険を伴う。これは昨年のWTOドーハ・ラウンドの破綻を良く説明。また人間は協調行動において相互期待の捕虜であり受益者でもあるため、結果的に相手に対する期待の焦点(focal points)に導かれると指摘。焦点は、論理より直感的想像力、類推、前例、偶然、均整美等に基づき、相互選択肢として明確で突出した存在という性格を有する。焦点の存在(=交渉の結論は事前に焦点に決まっている)は交渉人の能力を否定するものではなく、問題が如何に体系化され、どの様な前例が参考にされ、どの様な情報が併せて提供されるか等という段階で、何が明確で突出した選択肢となるかが決まることを示し、正式な交渉前が交渉人の本当の能力発揮の場であることを示唆、等等。1960年の著作であり冷戦の頻繁な引き合いには時代を感じるが、様々な戦略行動の定義と具体例を使った分析は思考の糧になることは請け合い。但し254ページには予想以上に労力・脳力を必要とする。

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Harvard University Pressから発売されたThomas C. SchellingのThe Strategy of Conflict(JAN:9780674840317)の感想と評価
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