人生論 (新潮文庫) の感想
参照データ
タイトル | 人生論 (新潮文庫) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | トルストイ |
販売元 | 新潮社 |
JANコード | 9784102060179 |
カテゴリ | 文学・評論 » エッセー・随筆 » 外国のエッセー・随筆 » ロシア |
購入者の感想
哲学書の常として言い回しなどやや難解な所が結構あるが、主な主張がよく繰り返されるので、所々判らない部分があっても、著者の訴えたいメッセージがちゃんと読み取れる。
著者は、自己中心的、動物的な本能に従うような生き方(「生存」)を否定し、動物的本能を理性に従わせて隣人愛に徹する生き方(「生命」)を唱え、それによってのみ本当の幸福が得られると主張する。なかでも「死」に対する考え方が非常に興味深く、キリスト教教義に裏打ちされると思われる人間の生命の永続性を、独特な論理で証明しようとするところが一読するに値する。個人的には、著者が「理性」をやや過大評価し、人間の根源的な弱さ、罪深さが解決できておらず、従って人間の「理性」も結局完全には当てにならないのではないかと考えるが、人間のレベルで考えれば、著者の提示した人生観が人間の到達しうる思想上の頂点だと思う。
著者は、自己中心的、動物的な本能に従うような生き方(「生存」)を否定し、動物的本能を理性に従わせて隣人愛に徹する生き方(「生命」)を唱え、それによってのみ本当の幸福が得られると主張する。なかでも「死」に対する考え方が非常に興味深く、キリスト教教義に裏打ちされると思われる人間の生命の永続性を、独特な論理で証明しようとするところが一読するに値する。個人的には、著者が「理性」をやや過大評価し、人間の根源的な弱さ、罪深さが解決できておらず、従って人間の「理性」も結局完全には当てにならないのではないかと考えるが、人間のレベルで考えれば、著者の提示した人生観が人間の到達しうる思想上の頂点だと思う。