理想追求型QCストーリー―「未来の顧客価値」を起点にしたコンセプト主導型の新製品・サービス開発手法 の感想

マーケティングとＱＣの融合を試みた本であり、リード・ユーザーという概念の導入によりその目論見はかなりのレベルで成功していると思われる。
あとはこのストーリーに共感し、実践する挑戦者を著者は望んでいるのではないかと感じる。

注意点としては、ＱＣ的手法に慣れた人間からすると、ＱＣサークル運営という視点はなく（おそらく企業のマーケティング部門が対象）、
ＱＣ手法に必須である７つ道具もまだそろっていない。
また、リード・ユーザーという概念が必須である以上、マーケティング部門以外では活用しづらい。

しかし、長い歴史のあるＱＣと比べ、２０１４年度に出たばかりの最新の理論であるので、それを今時点で要求するのはフェアではなく、
これからさらに洗練されていくのだと思う。

企業のマーケティング担当で、従来の俗人的な方法から抜け出すために模索している場合は特にチャレンジする価値はあるのではないかと思う。