私物国家―日本の黒幕の系図 (知恵の森文庫) の感想
参照データ
タイトル | 私物国家―日本の黒幕の系図 (知恵の森文庫) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 広瀬 隆 |
販売元 | 光文社 |
JANコード | 9784334780012 |
カテゴリ | ジャンル別 » 社会・政治 » 政治 » 政治入門 |
購入者の感想
国家を私物化して食い荒らしている、政治家、官僚、利権で生きる財界について、その黒い鉄のトライアングルに関し、著者は丹念に掘り起こして系図を描き上げる。その中心にいるのが税金を支配している大蔵官僚であり、金融における不良債権のでたらめな処理や、ゼネコンに対しての偏った税金の投入は、国家としての政治が機能していないために、税金の無駄遣いに終わってしまった。小泉が厚生大臣時代に起こした薬害エイズ事件をはじめ、住専事件やイトマン事件は既に風化して、責任逃れに終始した小泉が殊勝になの、日本は亡国の淵に立ちすくんでいる。国民はいよいよ貧しくなる一方で、ひたすら私服を肥やす権力者たちは、複雑な血脈で結ばれて国家に寄生しているが、それをこの本はあからさまに抉り出している。著者が作った系図を眺めているだけで、日本という国家が化け物であると理解できるが、それにしても黒幕をあぶりだした著者の作業は素晴らしい。