稲盛和夫の経営塾 Q&A高収益企業のつくり方 (日経ビジネス人文庫) の感想

本書は2005年に日本経済新聞社から刊行された『実学・経営問答　高収益企業のつくり方』を改題したもの。
2007年に早くも文庫化されました。

稲盛経営道場である「盛和塾」。
その各種大会や例会において、塾長と塾生（経営者の皆さん）が、真摯な姿勢で「経営問答」を行っておられます。

『稲盛和夫の実践経営塾』（ＰＨＰ研究所）では「往復書簡」スタイルにリメイクされていました。
しかし本書では、「ライブ再現」スタイルになっています。

読者が「稲盛経営実学」を十分に理解してもらえるよう、「高収益企業のつくり方」をテーマに「問答」を厳選。
「文庫版の発行にあたって」という巻頭言で、ご本人自ら『稲盛和夫の実学』と『アメーバ経営』の併読を勧めておられます。

塾生の悩みを我が事として、真摯に受け止める稲盛氏。
稲盛氏のすべての回答は、「人として何が正しいか」という判断基準で強靭に貫かれています。

「高収益企業」を目指す理由とは何か。
それは企業は真の社会貢献することが存在理由だと塾長は喝破されています。
ズバリ、永続的により多くの「納税」をすること。
勿論、企業規模の大小を問わずです。

「企業経営者こそが明日の日本を支える」。
これが稲盛和夫氏の「経営信条」です。
こうした強い使命感をもった方であるがゆえに、ＪＡＬ再建を引き受けられたのでしょう。
「利他のこころ」、ここに極まる！
私たちの「国」のために尽力される姿勢。
感動すると共に謹んで敬意を表します。