人と企業はどこで間違えるのか?---成功と失敗の本質を探る「10の物語」 の感想

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原作「Business Adventures」は今から半世紀前に著されたものであるが、Warren BuffettがBill Gatesに奨め、Bill Gatesが何度も読み返したということがまずは興味をそそられる。

本書で挙げられている10の物語には、インサイダー事件、カルテル、株式の買占め、営業秘密の取扱い等、ComplianceやBusiness Ethicsに関する教訓事例が約半数を占める。1960年代当時の法規制のレベルは現在のそれとは比べるべくもないが、こうした事例の積み重ねを経て現在の法規制があることを考えると、20〜30年の後にどのような世界になっているのかを想像するきっかけにもなるかもしれない。

その一方で、人間の本質は良い面も悪い面も時代と共に変わらない部分も多々あり、株や相場商品に関連すること、企業経営に関すること、或いは仕事に対する姿勢など、普遍的な教訓となることも多い。
失敗も成功も人が企業という場で織り成す物語であり、それはいずれの場合であっても生々しく、激しく、面白いストーリーであることを再認識させる一冊である。