スエズ運河を消せ―トリックで戦った男たち の感想
参照データ
タイトル | スエズ運河を消せ―トリックで戦った男たち |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | デヴィッド・フィッシャー |
販売元 | 柏書房 |
JANコード | 9784760140206 |
カテゴリ | » 本 » ジャンル別 » ノンフィクション |
購入者の感想
本書の原題は『The War Magician:The Man Who Conjured Victory in the Desert』
「戦場のマジシャン:砂漠での勝利を呪文で呼び込んだ男」
アレキサンドリア港を移動させ、スエズ運河をドイツ軍のめから隠すマジシャン、マスケリン。
たとえばディビット・カッパーフィールドのようなイリュージョニスト
(大掛かりな手品を行うマジシャン)ならナイアガラの滝を消すことも出来る。
きっとそのうちどこかのテレビ局が東京スカイツリーも消すだろう。
しかし、その際には、大量の観客という名のサクラと、テレビカメラの力、
背景を製作する舞台美術の専門化が必要だろう。
だから、本書に描かれたマジシャン。マスケリンの業績のいくつもに、僕は懐疑的にならざるを得ない。
かといってフィクションとして面白くないわけではないことも事実である。
小説として読むことにすれば、プールサイドで暇をつぶす本を必要としている
長期休暇の欧米人には絶好の本かもしれない。
次のような点が指摘されていることも付記しておこう。
マスケリンの評価は軍事歴史家であり奇術師でもあるリチャード・ストークスによって
批判的な分析を受けている。
オーストラリアの奇術雑誌「Geniis Magic Journal」に1993年から1995年にかけて掲載された
21回に及ぶシリーズ記事において、ストークスは多くの時系列的な間違いや
実証されていない出来事を指摘し、戦時中のマスケリンの手柄は架空のものが多く、
とくにゴーストライターによって書かれた『Magic: Top Secret』からの
影響が大きいと結論付けている。
「戦場のマジシャン:砂漠での勝利を呪文で呼び込んだ男」
アレキサンドリア港を移動させ、スエズ運河をドイツ軍のめから隠すマジシャン、マスケリン。
たとえばディビット・カッパーフィールドのようなイリュージョニスト
(大掛かりな手品を行うマジシャン)ならナイアガラの滝を消すことも出来る。
きっとそのうちどこかのテレビ局が東京スカイツリーも消すだろう。
しかし、その際には、大量の観客という名のサクラと、テレビカメラの力、
背景を製作する舞台美術の専門化が必要だろう。
だから、本書に描かれたマジシャン。マスケリンの業績のいくつもに、僕は懐疑的にならざるを得ない。
かといってフィクションとして面白くないわけではないことも事実である。
小説として読むことにすれば、プールサイドで暇をつぶす本を必要としている
長期休暇の欧米人には絶好の本かもしれない。
次のような点が指摘されていることも付記しておこう。
マスケリンの評価は軍事歴史家であり奇術師でもあるリチャード・ストークスによって
批判的な分析を受けている。
オーストラリアの奇術雑誌「Geniis Magic Journal」に1993年から1995年にかけて掲載された
21回に及ぶシリーズ記事において、ストークスは多くの時系列的な間違いや
実証されていない出来事を指摘し、戦時中のマスケリンの手柄は架空のものが多く、
とくにゴーストライターによって書かれた『Magic: Top Secret』からの
影響が大きいと結論付けている。