青木真也の柔道&柔術入門 の感想

著者の青木選手のキャリアと研鑽に基づいて柔道、ブラジリアン柔術、サンボにまたがる技術を集成した、いわゆる「ギあり」、道衣組み技格闘技の総合的なテキストです。
青木選手の真骨頂である多彩なサブミッションと強い投げ技のコツが、要点を掴みやすい簡潔な記述で数多く紹介されてます。
また、立ち技・寝技共に変化技の紹介が多く、「そういう手もあったのか…!」というサプライズが沢山あります。

そして、この本のポリシーを端的に表すものとして、投げ技の項で今や類書では殆ど消えたカニバサミが、この本では通常形・変化技と二種が紹介されていることを特筆したいと思います。

流派や競技ルールに拘らず、有効な技や残すべき技を自分流で本にまとめて公開したいという、青木選手の見識と強い意志を感じました。
流派の垣根を越えて極める・一本を取る技を結集した、まさに青木流伝授の一冊です。