メアリー・アニングの冒険 恐竜学をひらいた女化石屋 (朝日選書) の感想

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参照データ

タイトルメアリー・アニングの冒険 恐竜学をひらいた女化石屋 (朝日選書)
発売日販売日未定
製作者吉川 惣司
販売元朝日新聞社
JANコード9784022598394
カテゴリ »  » ジャンル別 » ノンフィクション

購入者の感想

科学史を研究するものとして、この名著を推薦いたします。
メアリー・アニングは古生物学を専門とする人にもほとんど知られていない存在です。その彼女にスポットライトをあてたことは、本書の最大の功績であります。
世のゴルフ場のロビーには「トム・モリス」の肖像がしばしば飾られます。それは全世界においてかなりの数にのぼることでしょう。しかしそれでいながら、トム・モリスの偉業について詳しく知っているゴルファーは数少ないのです。ましてメアリー・アニングの肖像画が、英国自然史博物館に(さりげなく)飾られているからといって、世の人たちが彼女のことを詳しく知っているとは限りません。
筆者の吉川惣司さんは「ルパン三世」の映画監督もなさった多才な方で、じつに筆のたつ方です。また矢島道子さんは介形虫(オストラコーダ)化石の研究により理学博士の学位をもつ方で、東大の初代教授をつとめたヒルゲンドルフについての研究により、科学史界においてよく知られます。こんかいその異色な二お人が力をあわせ、歴史の闇に埋もれていたメアリー・アニングの人生について詳しく掘りおこしました。
本書はアニングの肖像画についての謎解きから始まります。彼女の資料は低質な紙の、しかもその両面に滲むインクで書き込まれた粗末なものが大半です。それをよくぞ読み解き、そしてかくも平易な文章にまとめあげたものです。まさにお二人の不断の努力の結果です。
図版も多く、それを眺めるだけでも、十分価値のある本です。科学だけでなく歴史学、文学、紀行学、科学史学、女性学などの立場からも、広くおすすめする美事な一冊といえましょう。このような本の出版を決断した編集部の心意気に熱いエールを送ります。

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