目撃証言2 ヘヴィ・メタル:魂の旅路 の感想

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参照データ

タイトル目撃証言2 ヘヴィ・メタル:魂の旅路
発売日販売日未定
製作者伊藤 政則
販売元学研パブリッシング
JANコード9784054060579
カテゴリエンターテイメント » 音楽 » 音楽理論・音楽論 » ポピュラー音楽

購入者の感想

序章は伊藤氏が上京して、DJをやる経緯が書かれている。70年代前半~ツバキハウスのサウンドハウスの頃の新宿の様子、その時代の空気を、渋谷陽一氏との対談などを通じて、描かれており、当時の新宿を知る私のような人間にとっては非常に興味深い。ただ、ロック喫茶のDJから、いきなりロンドンに旅立って、サウンドハウスをやるようになるまでの間がスッポリと抜けていたり、そこから音楽ライターとして物書きになる経緯や、ツバキハウスが閉店になってGBで再開するようになったところなどが書かれていなかったり、渋谷陽一氏との対談なども、「70年代の昔を懐かしむ」という体を出ていない。当時の新宿を知らない人にとっては、土地勘とかが解らないので、厳しいのではないだろうか。

さらに、時代がいきなり5年、10年単位で飛ぶので、伊藤氏の回顧録としても不十分。その回顧録も、今の有名人と当時から面識があった……というような、自慢話になっているきらいがあり、読んでいて「あ、そう。だから?」と思ってしまう。

序章に続いてアーティストごとのエピソードになるが、いきなりスキッド・ロウから始まるのが解らない。秘話といっても、ほとんど自分がどれだけアーティストと仲が良かったかという話の域を出ておらず、楽屋話的なエピソードの羅列に終始している。そのバンドがその時代に果たした役割やエピソードがどうして生まれたかといった総括がされておらず、資料的価値も低い。ここでも、伊藤氏がアーティストと仲がよかったという終始しているので、伊藤氏がこれらのアーティストから受けた影響や、これらのアーティストがヘヴィメタルシーンにもたらした影響などには一切触れられていないのが残念。

前作はロンドンに渡った伊藤氏が、当時の英国のヘヴィメタルを日本に根付かせるという軸があったので、非常に読み応えがあったが、本作はバンドの並び順にも疑問符が付く上、バンドのエピソードも、例えばアイアン・メイデンなどはブルース・ディッキンソンの脱退の裏側という、ちょっと詳しいファンなら知っているエピソードに終始しており、掘り下げ不足という印象が強い。

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学研パブリッシングから発売された伊藤 政則の目撃証言2 ヘヴィ・メタル:魂の旅路(JAN:9784054060579)の感想と評価
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