バカになったか、日本人 の感想

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参照データ

タイトルバカになったか、日本人
発売日販売日未定
製作者橋本 治
販売元集英社
JANコード9784087807455
カテゴリ文学・評論 » エッセー・随筆 » 著者別 » は行の著者

購入者の感想

『バカになったか、日本人』とは、挑発的なタイトルだ。
本書は2011年から2014年にかけて橋本治氏が書かれた様々なコラムや
エッセイをまとめて作られたものだ。東日本大震災から原発問題、憲法改正
論議や集団的自衛権についてが主たるテーマである。2011年はちょうど氏
が病気であり、知的活動を十全に行える状況でないにもかかわらず、やはり
聡明なのである。
さて、橋本氏。様々なコラムでの主張は一貫している。どのようなテーマであ
れ、いつの議論も日本人の議論は「最初に結論ありき」であるということであ
る。結論ありきだから揺らがない。揺らいでしまうことは、自らのアイデンティ
ティの崩壊につながると極度に恐れているかのように。
バカになったか、というよりは自己のアイデンティティを確立しきれていない、
成熟していない日本人の、まともな議論ができない日本人への嘆きのように
読み取れた。

今こそ読むべき本。
本当に橋本治は団塊の公人として、キチンとやることをやっていると感じる。
(お身体大変ですのにねぇ。)
この本に書かれた「その後(今)」を橋本治はどう見ているのかが知りたい。

「バカになったか、日本人」という挑発的なタイトルであるが、著者は本の中でそんなことは一言も言っていない。
おそらく、たいていのhんがそうであるように、この書名も編集者が考えたもので、著者の意向ではないのだろう。
なぜならば、著者がこの本で繰り返しているのは「わからない」ばかりだからだ。
『「わからない」という方法』なる、けっこう売れた新書ももっている著者は「わからない」を平気で言う。
「集団的自衛権」で、どうして日本が安全になるのかわけがわかりません、と書く。
なんで憲法を改正しなけりゃならないのかもわかりません、と書く。
だから、著者は「景気回復を!」「日本を普通の国に」「グローバルスタンダード」などといったいさましい掛け声にちっとも反応しない。
なぜそれが必要なのか「わからない」からだ。
自分にとって「わからない」ことに、付和雷同的に賛成しない。それがこの著者の持ち味だ。
それにしても、昔だったらすぱすぱ「わかった」と言っていた著者が、「わからない」と繰り返すのを見ると、著者も老いるのだなと思う。
この老いから学ぶことはまだまだありそうだが。

確かにって思えるところもあるし、ふーんって流すところもあるけど全体としてはわかりやすくて読みやすい。

視点、論点が、非常に常識的で同意しやすく、すらすら読め、満足でした。

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