ホフマンスタール詩集 (岩波文庫) の感想
参照データ
タイトル | ホフマンスタール詩集 (岩波文庫) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | ホフマンスタール |
販売元 | 岩波書店 |
JANコード | 9784003245729 |
カテゴリ | ジャンル別 » 文学・評論 » 詩歌 » 外国詩 |
購入者の感想
芸術・芸術家の役割とは何か。「同情のうちに予感しながら ものいわぬ苦悩を解き放つこと」(「芸術家の浄め」150頁)とするならば、ホフマンスタールは世の中の片隅に置かれた存在の代弁者です。例えば「囚われの船のコックが歌う」は人間のために料理される魚や果物の哀歌となっています。他方で、無知・無理解ゆえに罪を犯している人間の弱さや限界を指摘しています(「生の罪」など)。人生には苦しく、重々しいことが起こります。しかし「小暗くかすむ夕べの風の吹く 道はどこにも行きつかなかった それでも さざめく雨の中を 歩いていくのは楽しかった」(「たそがれの雨」100頁)。人間は重いものを背負い試行錯誤しつつ、前へと進んで行けるのでしょう。